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- じわりと進む円高、今後の行方は?~マーケット・カルテ10月号
2020年09月17日
9月に入り、ドル円は106円台で推移した後、中旬に米ハイテク株下落によるリスクオフの円買いや、米金融緩和の長期化観測によるドル売りによって下落し、一時105円を割り込んだ。昨日のFOMCで金融緩和の長期化が強く示唆されたことを受けて、足元も105円付近で低迷している。
FRBはゼロ金利解除のハードルを明確に引き上げたため、今後もドルの先高観は台頭しにくい。むしろ、米追加経済対策の与野党合意が見通せないことから、当面は米景気減速懸念によるドル安圧力が高まりやすいだろう。ただし、大規模緩和を柱とするアベノミクスの継続をうたう菅新政権が発足したことが円高の一定の歯止めになるほか、今後もワクチン開発への期待がリスクオンの円売り圧力になる可能性が高い。また、年終盤はドル需要の高まりによってドル高に振れやすいという季節性もある(第4四半期にドル高となったのは過去10年で8回)ことから、3か月後のドル円は現状比でやや円安と予想している。
なお、米大統領選の影響は限定的と見ている。支持率で優位に立つバイデン氏が掲げる公約のうち、増税はドル安材料だが、政策の予見性向上や国際関係の改善が期待できることには(リスクオンの)円安材料の側面がある。
ユーロ円は今月に入り、利益確定のユーロ売りやECB高官によるユーロ高けん制などから下落し、足元は123円台後半で推移している。今後はドル円同様、ワクチン開発への期待が円売り圧力になりそうだが、投機筋のユーロ買い残高が依然高水準にあることから利益確定のユーロ売りも出やすい。また、英・EU間の通商交渉が引き続き難航するとみられることもユーロの重荷になる。3カ月後の水準は現状程度と見ている。
長期金利は、長らく0.0%台前半での推移が続いている。今後も国債需給緩和への警戒が燻り、特に第3次補正予算が現実味を帯びれば金利上昇圧力が高まる可能性がある。しかし、日銀は景気等への配慮から金利上昇を許容せず、オペや市場との対話を通じて抑制し続けるだろう。3か月後の水準は現状比で横ばい圏とみている。
FRBはゼロ金利解除のハードルを明確に引き上げたため、今後もドルの先高観は台頭しにくい。むしろ、米追加経済対策の与野党合意が見通せないことから、当面は米景気減速懸念によるドル安圧力が高まりやすいだろう。ただし、大規模緩和を柱とするアベノミクスの継続をうたう菅新政権が発足したことが円高の一定の歯止めになるほか、今後もワクチン開発への期待がリスクオンの円売り圧力になる可能性が高い。また、年終盤はドル需要の高まりによってドル高に振れやすいという季節性もある(第4四半期にドル高となったのは過去10年で8回)ことから、3か月後のドル円は現状比でやや円安と予想している。
なお、米大統領選の影響は限定的と見ている。支持率で優位に立つバイデン氏が掲げる公約のうち、増税はドル安材料だが、政策の予見性向上や国際関係の改善が期待できることには(リスクオンの)円安材料の側面がある。
ユーロ円は今月に入り、利益確定のユーロ売りやECB高官によるユーロ高けん制などから下落し、足元は123円台後半で推移している。今後はドル円同様、ワクチン開発への期待が円売り圧力になりそうだが、投機筋のユーロ買い残高が依然高水準にあることから利益確定のユーロ売りも出やすい。また、英・EU間の通商交渉が引き続き難航するとみられることもユーロの重荷になる。3カ月後の水準は現状程度と見ている。
長期金利は、長らく0.0%台前半での推移が続いている。今後も国債需給緩和への警戒が燻り、特に第3次補正予算が現実味を帯びれば金利上昇圧力が高まる可能性がある。しかし、日銀は景気等への配慮から金利上昇を許容せず、オペや市場との対話を通じて抑制し続けるだろう。3か月後の水準は現状比で横ばい圏とみている。
(執筆時点:2020/9/17)
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経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
(2020年09月17日「基礎研マンスリー」)
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