2020年05月01日

プラチナはとうとう金の半値以下に~コロナショックがダメ押し

経済研究部 上席エコノミスト   上野 剛志

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(評価と今後の予想)
(評価)企業の資金繰りが逼迫しているだけに、今回の日銀の資金繰り対策強化は妥当な判断と評価できる。一方で、国債買入れの上限撤廃については、殆ど効果が見込めない。近年、日銀の国債買入れペースはすう勢的に鈍化しており、3月末時点では前年比14兆円増に留まっていた。従って、「年間80兆円増のめど」は国債買入れの制約には全くなっておらず、今後も当面制約になることは考えにくかった。つまり、「80兆円増のめど」は完全に形骸化していたのだが、安易に取り下げると緩和姿勢の後退と受け止められる恐れがあったため、存置されていたものと考えられる。

そうした中、今回、緩和強化をうたいつつ「80兆円増のめど」を撤廃することで、日銀の緩和姿勢や政府との協調をアピールできるうえ、扱いに困っていた過去の負の遺産を取り払うことができ、日銀としては一石二鳥であったと考えられる。
 
(予想)新型コロナの影響で、今後も日本経済は極めて厳しい状況が続くとみられ、企業等の資金繰り難も続くと見込まれる。従って、日銀は今回検討の俎上に挙げた政府の資金繰り支援制度(保証料・利子減免制度を利用して行う貸出)を踏まえた新しい資金供給策を早急に導入すると見込まれる。さらに、今後も必要に応じて資金繰り対策を強化(担保要件の緩和や付利の拡大など)すると予想される。

なお、マイナス金利の深堀りについては、資金繰り対策の前面に立つ金融機関の体力を損なう恐れが強いため、日銀は慎重なスタンスとみられる。ただし、今後もし大幅な円高が進行する場合には、止む無く踏み切る可能性も残されていると見ている。
 

3.金融市場(4月)の振り返りと予測表

3.金融市場(4月)の振り返りと予測表

(10年国債利回り)
4月の動き 月初0.0%付近でスタートし、月末は▲0.0%台半ばに。
月初、新型コロナ拡大に伴う米金利低下や日銀の国債買入れ頻度増加方針を受けて金利が低下、2日には小幅ながらマイナス圏に。その後は欧米でのコロナ感染拡大ペースの鈍化や補正予算に伴う国債増発観測、緊急事態宣言発令による市場参加者減少懸念などから上昇し、8日には若干のプラス圏に。中旬には、国債入札や日銀オペの結果を材料としながら0.0%付近での一進一退の展開となったが、国債増発懸念から金利は下げ渋る。下旬には原油価格の急落や日銀の追加緩和観測が低下圧力となり、22日以降、再びマイナス圏に。月の終盤には日銀が追加緩和で国債買入れの積極化を表明、来月の国債買入れについても増額方針を示したことでやや低下し、月末は▲0.0%台半ばで終了した。
日米長期金利の推移(直近1年間)/日本国債イールドカーブの変化/日経平均株価の推移(直近1年間)/主要国株価の騰落率(4月)
(ドル円レート)
4月の動き 月初107円台後半でスタートし、月末は106円台半ばに。
月初、OPECプラスによる減産期待や欧米の一部でのコロナウイルス感染拡大鈍化を受けてリスク選好的な円売りが入り、6日には109円に上昇。その後はOPECプラス減産決定への失望感や米決算への警戒などから円高に振れ、14日には107円台に突入。以降は同じ低リスク通貨とみなされる円とドルが連動する形となり、ドル円は107円台で膠着した展開に。月の終盤には欧米での一部経済活動再開を受けたリスク選好的なドル売りや、FOMCを受けた米金融緩和の長期化観測に伴うドル売りで下落、月末は106円台半ばで終了した。
ドル円レートの推移(直近1年間)/ユーロドルレートの推移(直近1年間)
(ユーロドルレート)
4月の動き 月初1.09ドル台後半でスタートし、月末は1.09ドル台前半に。
月初、ユーロ圏PMIの悪化を受けて、3日に1.07ドル台後半に下落したが、欧州の一部におけるコロナ感染拡大の鈍化や独経済指標の改善を受けて、7日には1.08ドル台後半へ回復。さらに、FRBが新たな資金供給策を公表したことでドルが売られ、14日には1.09ドル台後半へと上昇した。しかし、その後は原油価格下落や米経済指標の悪化によって有事のドル買いが優勢となり、21日には1.08ドル台前半までユーロが下落。終盤は、欧米での一部経済活動再開を受けたリスク選好的なドル売りや米金融緩和の長期化観測、ECB理事会での量的緩和拡大見送りを受けたユーロ買いによって持ち直し、月末は1.09ドル台前半で終了した。
金利・為替予測表(2020年5月1日現在)
 
 

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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

(2020年05月01日「Weekly エコノミスト・レター」)

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