2019年09月02日

バイオシミラーの普及-薬剤費抑制のためには、どういう取り組みが必要か?

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也

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■要旨

バイオ医薬品が、近年急激に拡大している。抗がん剤をはじめ、さまざまな薬効を持つバイオ医薬品が開発・製造され、臨床医療に用いられている。一方で、バイオ医薬品には高額なものが多く、医療費の増大に拍車をかける要因ともいわれている。

ジェネリック医薬品と同様に、バイオ医薬品にもバイオシミラーという後続の低価格品があり、徐々に市場に出始めている。しかし、ジェネリック医薬品のようにスムーズに普及が進むとは限らない。

本稿では、バイオ医薬品やバイオシミラーの現状と、普及に向けた検討課題をみることとしたい。

■目次

1――はじめに
2――バイオ医薬品とは
  1|バイオ医薬品の製造には、微生物や動物細胞の機能が利用される
  2|バイオ医薬品は分子量が大きく、消化器で分解されるのを避けて注射剤となることが
   多い
  3|バイオ医薬品の製造には多額のコストがかかる
  4|バイオ医薬品は近年急激に拡大している
3――バイオシミラーとジェネリック医薬品の相違点
  1|バイオシミラーは、先行品と有効性・安全性が全く同じというわけではない
  2|初収載時のバイオシミラーの薬価は、原則として、先行品の7割水準
  3|バイオ医薬品の製造には多額のコストがかかる
4――バイオシミラーの普及のための検討ポイント
  1|高額療養費制度や医療費助成制度により、患者がバイオシミラーを選択する
   インセンティブが乏しい
  2|医師・歯科医師・薬剤師によっては、バイオシミラーの有効性・安全性に不安をもつ
   ケースがある
  3|政府は、バイオシミラー開発を通じた創薬イノベーションを模索している段階にある
5――おわりに (私見)
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保険研究部   主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員

篠原 拓也 (しのはら たくや)

研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴
  • 【職歴】
     1992年 日本生命保険相互会社入社
     2014年 ニッセイ基礎研究所へ

    【加入団体等】
     ・日本アクチュアリー会 正会員

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