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介護の「科学化」はどこまで可能か-リハビリ強化など予防強化に向けた政策の動向と論点

保険研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 三原 岳
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政府では現在、「科学的介護」の導入に向けた議論が進んでいる。これは高齢者介護に関するデータやエビデンスの収集を通じて、リハビリテーションの強化など効果的な介護予防を進めることに力点を置いており、政府は全国的なデータベースを2020年度に構築するとしている。確かに介護分野ではデータやエビデンスの収集が医療分野と比べて遅れていたため、科学的介護の意味は決して小さくない。
しかし、介護とは要介護状態となった高齢者の生活を支えることに主眼を置いており、高齢者に限らず、人の生活は主観的な満足度を含めて、数字で表しにくい複雑さを有している。こうした介護や生活について、客観的な分析を行う「科学」の適用はどこまで可能なのだろうか。本稿は科学的介護に関する経緯などを考察するとともに、対人援助の技術を組み合わせるなど、分野横断的な議論が必要な点を論じる。
■目次
1――はじめに~介護の「科学化」は可能か~
2――未来投資会議で浮上
3――科学的介護の背景
4――科学的介護による効果と疑問
1|介護予防の充実、重症化予防への期待
2|生活を「科学」する限界と医療化の懸念
5――おわりに
(2019年06月25日「保険・年金フォーカス」)

03-3512-1798
- プロフィール
【職歴】
1995年4月~ 時事通信社
2011年4月~ 東京財団研究員
2017年10月~ ニッセイ基礎研究所
2023年7月から現職
【加入団体等】
・社会政策学会
・日本財政学会
・日本地方財政学会
・自治体学会
・日本ケアマネジメント学会
【講演等】
・経団連、経済同友会、日本商工会議所、財政制度等審議会、日本医師会、連合など多数
・藤田医科大学を中心とする厚生労働省の市町村人材育成プログラムの講師(2020年度~)
【主な著書・寄稿など】
・『必携自治体職員ハンドブック』公職研(2021年5月、共著)
・『地域医療は再生するか』医薬経済社(2020年11月)
・『医薬経済』に『現場が望む社会保障制度』を連載中(毎月)
・「障害者政策の変容と差別解消法の意義」「合理的配慮の考え方と決定過程」日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク編『トピック別 聴覚障害学生支援ガイド』(2017年3月、共著)
・「介護報酬複雑化の過程と問題点」『社会政策』(通巻第20号、2015年7月)ほか多数
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