2019年04月18日

国内ベンチャーにとっての官民ファンド

中村 洋介

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■要旨
  • 日本のベンチャーへの資金供給で大きな存在感を示してきた官民ファンドのあり方が問われている。
     
  • 政府の成長戦略の一環で、株式会社産業革新投資機構(JIC)が発足したが、その運営方針等を巡るJICの経営陣と経済産業省の対立を経て、現在仕切り直しを図っている状況だ。
     
  • 国内ベンチャーへの資金供給という観点で言えば、これまで官民ファンドの果たしてきた役割は無視出来ない。バイオや宇宙開発等の技術系・研究開発型のベンチャー等を育成するためのリスクマネー不足も指摘される。国際的なイノベーション競争が激しくなる中、自律的にベンチャーが次々と産まれるエコシステムの構築に向けては、この先数年が正念場である。このような点を踏まえた上で、官民ファンドはどうあるべきか、どのような役割を果たすべきかを議論していく必要がある。
     
  • JICも含めた官民ファンドには、投資先のベンチャーそのものを育成するだけでなく、民間リスクマネーの呼び込み等、ベンチャー、民間VCや大企業等も含めた日本のベンチャー・エコシステム全体を育成し、広げていくことに期待したい。


■目次

1――はじめに
2――JICの方向性を巡る議論
  1|仕切り直しとなったJIC
  2|JICとは
  3|出直しに向けた議論
3――国内ベンチャーにとっての官民ファンド
4――JICに期待すること
5――おわりに
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中村 洋介

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