2019年04月17日

円安進行が期待できないワケ~マーケット・カルテ5月号

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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為替・金利 3ヶ月後の見通し 4月に入り、米国や中国の経済指標改善などを受けたリスクオン(選好)の円売りからドル円はやや円安ドル高となったが、足元でも112円付近に留まり、ドルの上値は重い。

その最大の理由は米利上げ観測の低迷だが、FRBは利上げを当面見合わせる姿勢を強調しているため、今後数ヵ月にわたって利上げ観測の盛り上がりは見込めない。一方、これまで円安の原動力となってきたリスクオンについては、米中通商協議が合意に至ればさらに強まり、もう一段の円安を促す可能性はある。ただし、今後は日米・米EUの通商協議がリスク要因として意識され、リスクオンの円売りを抑制しそうだ。さらに、既に主要国株価の割安感が薄れておりリスクオン地合いが高まりづらくなってきたこと、シカゴ投機筋の円売りポジションがたまってきており、円の買い戻し圧力が発生しやすくなっていることも円安進行を抑制するだろう。従って、3ヵ月後の水準は現状程度と予想している。ドル円が方向感を取り戻すには、米金融政策への見方が利上げか利下げに大きく傾く必要がある。

ユーロ円は、4月に入ってから実需と見られる大口のユーロ買いやリスクオンの円売りによって上昇し、足元は126円台半ばで推移している。先日、英国のEU離脱延期が決まったことは当面のユーロ安リスク低下に寄与するが、ECBの年内利上げが見込めないなかで積極的にユーロを買う理由も見当たらない。5月下旬の欧州議会選挙への警戒もユーロの上値を抑制しそうだ。従って、3カ月後も現状と大差ない水準に留まるだろう。

長期金利は、4月に入り、世界的な景気減速懸念の後退に伴って上昇し、足元は▲0.0%台前半で推移している。今後も米中通商協議が合意に至ればさらなる上昇が見込まれる。ただし、しばらく米利上げ観測の盛り上がりが見込めないほか、上記のとおり、一方的なリスクオン地合いの継続も期待しづらい。3ヵ月後の水準は▲0.0%台前半から0.0%と予想している。
 
(執筆時点:2019/4/17)
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経済研究部   シニアエコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

(2019年04月17日「基礎研REPORT(冊子版)」)

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