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- 景気後退は回避できるのか
2019年04月12日
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■要旨
- 内閣府の「景気動向指数」では、2019年1月のCI一致指数が前月差▲2.5ポイントの大幅低下となり、CI一致指数の基調判断が、それまでの「足踏み」から「下方への局面変化」に下方修正された。2月の基調判断は据え置かれたが、3月のCI一致指数が前月差マイナスとなれば、基調判断は「悪化」に下方修正されることになる。
- 1985年以降、CI一致指数の基調判断が悪化となったことは6回ある(2008年3月以前の判断は筆者による)が、いずれも事後的に景気後退と認定されている。ただし、直近のCI一致指数を用いて基調判断を行うと、2015年5月から2016年9月まで「悪化」となるが、この期間は景気後退とは認定されなかった。
- 2019年3月以降のCI一致指数の動き次第で基調判断が「悪化」となる可能性があるが、このことは景気後退の十分条件ではない。景気後退の目安のひとつはCI一致指数の下落率が過去の景気後退局面と同程度となることだが、現時点では景気後退とならなかった2014年4月以降の停滞期の落ち込みを下回っている。
- 景気後退回避の鍵を握るのは輸出動向だ。米国、欧州経済は減速しているが、低迷が続いていた中国経済は下げ止まりの兆しが見られる。国内需要は一定の底堅さを維持しているため、景気動向指数の基調判断が「悪化」に転じたとしても、中国経済の持ち直しに伴い輸出が下げ止まれば、景気後退が回避される可能性が高まるだろう。
(2019年04月12日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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