- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 日銀短観(3月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は6ポイント低下の13と予想
2019年03月20日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
- 3月調査短観では、大企業製造業で2四半期ぶりに景況感の悪化が示されると予想。中国をはじめとする海外経済減速や貿易摩擦の影響が顕在化したことを受けて、景況感が明確に悪化するだろう。非製造業については、堅調な消費が下支えになるものの、人手不足に伴う賃金・運送コスト上昇、海外経済減速や中国EC法施行に伴うインバウンド需要の鈍化等から景況感がやや悪化する。中小企業も、製造業、非製造業ともに悪化が見込まれる。
- 先行きの景況感もさらなる悪化が見込まれる。今後、米中通商交渉に目処が付いたとしても、次は日本が米国の標的になる可能性が高く、米政権からの対日圧力の高まりが危惧される。非製造業もインバウンドを通じて世界経済との繋がりが強まっただけに、海外情勢への懸念が現れやすいほか、人手不足深刻化への懸念も重荷になる。一方、消費税率引き上げを控えた駆け込み需要やGWの10連休、中国での景気対策の効果発現などへの期待が下支えになることで、先行きの景況感の大幅な悪化は回避されると見ている。
- 2018年度の設備投資計画は前年比9.0%増へ下方修正されると予想。また、今回から新たに公表される2019年度計画は、昨年や一昨年の3月調査における翌年度計画の伸びを下回る3.9%減になると予想している。貿易摩擦や世界経済減速によって事業環境の不透明感が強まっているうえ、企業の景況感や収益が圧迫されているため、一部で設備投資の様子見や棚上げの動きが生じ、設備投資計画を押し下げると見ている。
- 今回の短観で最も注目されるのは、今回から新たに公表される2019年度の事業計画だ。海外発の逆風が強まる中で、企業が来年度の収益をどのように見込み、どのような設備投資計画を立てているのかが明らかになる。特に設備投資は日本経済の牽引役となってきただけに、明らかに弱い計画の場合には、景気後退入りの可能性が高まりかねない。
■目次
3月短観予測:貿易摩擦・世界経済減速の影響が景況感・設備投資で顕在化
・景況感は幅広く悪化、先行きもさらに悪化へ
・注目ポイント:新年度の収益・設備投資計画
・日銀金融政策への影響:追加緩和観測の台頭を促す内容に
3月短観予測:貿易摩擦・世界経済減速の影響が景況感・設備投資で顕在化
・景況感は幅広く悪化、先行きもさらに悪化へ
・注目ポイント:新年度の収益・設備投資計画
・日銀金融政策への影響:追加緩和観測の台頭を促す内容に
(2019年03月20日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/06/27 | 資金循環統計(25年1-3月期)~個人金融資産は2195兆円と伸びが大きく鈍化、家計のリスク資産投資は加速 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/19 | 緊迫化する中東情勢、ドル円への影響は?~マーケット・カルテ7月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/06/18 | 日銀短観(6月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは4ポイント低下の8と予想、設備投資計画も抑制的に | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/06/10 | 貸出・マネタリー統計(25年5月)~都銀と地銀で貸出の勢いに開き、新規貸出金利が大きく上昇 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年07月01日
加熱する中国フードデリバリー抗争-ドライバー争奪の切り札として進む社会保険適用 -
2025年07月01日
国際的に注目を集めるAsset-Intensive Reinsurance(AIR)を巡る動向 -
2025年07月01日
今週のレポート・コラムまとめ【6/24-6/30発行分】 -
2025年06月30日
食品ロス削減情報の比較可能性-何のための情報開示か? -
2025年06月30日
鉱工業生産25年5月-4-6月期は2四半期連続減産の可能性が高まる
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【日銀短観(3月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は6ポイント低下の13と予想】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
日銀短観(3月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は6ポイント低下の13と予想のレポート Topへ