2019年03月04日

平成における消費者の変容(1)-変わる家族の形と消費~コンパクト化する家族と消費、家族のモデル「標準世帯」の今

生活研究部 主任研究員   久我 尚子

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■要旨
  • 平成の30年余りで消費者の暮らしや価値観は大きく変わり、消費行動の土台が変化している。平成時代の大きな変化には、「家族」「女性」「若者」「インターネット」の4つのキーワードがあると考える。そこで、本稿を皮切りに何回かに分けて「平成における消費者の変容」を捉えていきたい。第一弾の本稿では「家族」に注目する。
     
  • 平成のはじめは夫婦と子どもから成る世帯が最も多かったが、今では単身世帯が35%を占めて最も多い。「標準世帯」(働く父親と専業主婦の母親、子ども2人)は今や5%に満たない少数派だ。家族がコンパクト化すると消費もコンパクト化し、例えば、箱入りのカレールーの売上げを1人用のレトルトカレーが上回ったというデータもある。
     
  • 単身世帯は増加するだけでなく高齢化しており、現在3分の1が65歳以上の高齢者だ。今後とも高齢単身世帯が増えることを見越して、コンビニエンスストアなど、ターゲットを若者からシニアに一足早く変えた業界もある。
     
  • 「標準世帯」を代表としてきた子育て世帯は現在では全体の4分の1に満たず、共働き世帯が過半数を占めるようになり、平成の始めと比べてDINKS世帯や一人っ子世帯が2倍となっている。少子化の一方、限られた子どもに向けて活性化しているのが孫消費だ。ランドセル市場は背負う子どもの人数が減っているのに拡大している。
     
  • 子育て世帯では就職氷河期世代が親になることで経済状況が厳しく、2000年以降、可処分所得が減少する中で可能な限り消費を抑制し貯蓄する傾向が強まっている。裏を返すと、必需性が高いと判断されればお金を向ける傾向もあり、「通信」「住宅」「教育」「電動アシスト自転車」の4つの消費は増加している。
     
  • 子育て世帯の消費で増えているものには、世帯数の増加による「共働き消費」もある。時間がないために時短ニーズや代行ニーズが強いことが特徴的であり、惣菜や外食の支出の多い食生活や子どもの教育関連サービスなどによくあらわれている。
     
  • 今後日本では人口が減り世帯数も減る中で消費市場が縮小することは自然なこととも言えるが、消費者の暮らし方やニーズの変化に対応することでまだ拡大の余地もある。さらに、所得が増えれば消費が増える可能性もあり、この点は次稿で詳しく述べるが、平成の30年余りで経済力の増した女性に大きく期待できるのではないかと考えている。


■目次

1――はじめに~大きく変わったのは「家族」「女性」「若者」「インターネット」
2――コンパクト化する家族と消費
  1|コンパクト化する家族
   ~今や「標準世帯」は5%未満の少数派、最多は単身世帯で35%
  2|コンパクト化する消費
   ~箱入りカレールーより1人用レトルトカレー、カット野菜、3枚入り食パン..
  3|単身世帯の高齢化~3分の1が65歳以上に
  4|増え行く高齢単身世帯がターゲット~コンビニは若者からシニアのものへ
3――「標準世帯」の今と子育て消費
  1|「標準世帯」の今
   ~児童のいる世帯は全体の1/4未満、DINKS・一人っ子が2倍、共働きが過半数
  2|少子化で盛り上がる孫消費~子どもの数は減ってもランドセル市場は拡大
  3|子育て世帯の消費の変化
   ~消費抑制傾向が強まる一方、必需性が高いと判断すれば買う4つのもの
  4|子育て世帯の共働き消費~キーワードは時短ニーズと代行ニーズの強さ
4――おわりに~人口・世帯が減っても暮らしの変化に注目した商品・サービスの共有で
  市場拡大の余地も
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生活研究部   主任研究員

久我 尚子 (くが なおこ)

研究・専門分野
消費者行動、心理統計、保険・金融マーケティング

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