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2019年02月14日
    EUソルベンシーIIにおけるLTG措置等の適用状況とその影響(5)-EIOPAの2018年報告書の概要報告-
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ランオフしている商品か、まだ販売されている商品(即ち、商品が顧客によって購入可能である)か、という商品ステータスによってデータを分割した場合、まだ販売されている商品はランオフしている商品よりも含まれている保証が少ない。少なくとも1つの保証を含んでいる商品の割合は、ランオフしている商品の93%に対して、販売されている商品では78%となっている。
以下の図表が示すように、販売されている商品におけるより少ない保証のこの傾向は、年金給付保証を除く全ての種類の保証について見ることができる。年金給付保証において、ランオフした商品と比較して、販売されている商品の割合が増加しているのは、一部市場でこれらの機能を備えた商品をより多く販売するという会社によるシフトが見られたことによるものである、と説明されている。
            ランオフしている商品か、まだ販売されている商品(即ち、商品が顧客によって購入可能である)か、という商品ステータスによってデータを分割した場合、まだ販売されている商品はランオフしている商品よりも含まれている保証が少ない。少なくとも1つの保証を含んでいる商品の割合は、ランオフしている商品の93%に対して、販売されている商品では78%となっている。
以下の図表が示すように、販売されている商品におけるより少ない保証のこの傾向は、年金給付保証を除く全ての種類の保証について見ることができる。年金給付保証において、ランオフした商品と比較して、販売されている商品の割合が増加しているのは、一部市場でこれらの機能を備えた商品をより多く販売するという会社によるシフトが見られたことによるものである、と説明されている。
                                            2つの国(オランダとポルトガル)を除く全ての国内市場のデータでは、ランオフした商品よりも販売中の商品において保証が少ない傾向が見られる。オランダの状況は、部分的には、より低いレベルの保証を有するユニットリンク保険の売上高の減少によって説明することができる。
全体として、保証付商品の利用可能性に関する情報要求に応じて提供されたデータは、前回の報告書及び今年度のアンケートに回答してNSAs が提供した情報と一致しており、両方において、NSAsは保証の利用可能性が市場において減少しているとコメントしている。
            全体として、保証付商品の利用可能性に関する情報要求に応じて提供されたデータは、前回の報告書及び今年度のアンケートに回答してNSAs が提供した情報と一致しており、両方において、NSAsは保証の利用可能性が市場において減少しているとコメントしている。
                                                                        (2) 金利保証のさらなる情報
EIOPAは、この報告において最も関連があると考えられることから、金利保証を含む商品についてのさらなる情報を求めた。この分析の目的上、金利保証は契約に明示的に設定されているものである。情報要求では、会社は、金利保証が適用されると予想される平均期間、金利保証の規模、及び商品が保証を増加させる裁量的給付能力を有するかどうかについて、詳細を提供するよう求められた。
1) 金利保証が適用されると予想される平均期間
以下の図表は、各国における、保険種類30(有配当保険)について、金利保証が適用されると予想される平均期間を示している。この文脈における平均期間は、契約の開始から利率が適用されている期間までの合計期間の平均として定義される。この図表は、各会社の商品のそれぞれを期間帯に割り当てるように会社に依頼することによって作成されている。保証期間として会社が「終身」を選択した場合、国毎の平均期間を計算するために他の情報と組み合わせて、これは50年とみなされている。
期間帯を使用する上での正確性に限界があること、及び情報要求への回答における期間の意味合いについて、理解にいくつかの異なる解釈があるかもしれないことから、図表は具体的な値よりもそれが示す傾向を読むべきである、としている。
            EIOPAは、この報告において最も関連があると考えられることから、金利保証を含む商品についてのさらなる情報を求めた。この分析の目的上、金利保証は契約に明示的に設定されているものである。情報要求では、会社は、金利保証が適用されると予想される平均期間、金利保証の規模、及び商品が保証を増加させる裁量的給付能力を有するかどうかについて、詳細を提供するよう求められた。
1) 金利保証が適用されると予想される平均期間
以下の図表は、各国における、保険種類30(有配当保険)について、金利保証が適用されると予想される平均期間を示している。この文脈における平均期間は、契約の開始から利率が適用されている期間までの合計期間の平均として定義される。この図表は、各会社の商品のそれぞれを期間帯に割り当てるように会社に依頼することによって作成されている。保証期間として会社が「終身」を選択した場合、国毎の平均期間を計算するために他の情報と組み合わせて、これは50年とみなされている。
期間帯を使用する上での正確性に限界があること、及び情報要求への回答における期間の意味合いについて、理解にいくつかの異なる解釈があるかもしれないことから、図表は具体的な値よりもそれが示す傾向を読むべきである、としている。
                                            このデータは、ランオフしている商品とまだ市場で販売されている商品によって区分される。大部分の国において、金利保証が適用される期間は、ランオフしている商品よりも販売されている商品の方が短い。
金利保証が適用される期間が、販売されている商品について有意により長い5つの国がある。スペインとノルウェーはどちらも、終身金利保証を受けた商品の割合が非常に高いため、長い加重平均期間を有している。その他の3カ国は、エストニア、ハンガリー、オランダである。
英国とフランスのデータは図表から削除されている。英国とフランスの両国においては、情報要求への回答で金利保証が適用されると予想される期間が終身であることを示していたので、年数で期間を表示することは不可能であった。さらに、他のいくつかの国は、保険種類30のデータが不十分であるため、排除された。
            金利保証が適用される期間が、販売されている商品について有意により長い5つの国がある。スペインとノルウェーはどちらも、終身金利保証を受けた商品の割合が非常に高いため、長い加重平均期間を有している。その他の3カ国は、エストニア、ハンガリー、オランダである。
英国とフランスのデータは図表から削除されている。英国とフランスの両国においては、情報要求への回答で金利保証が適用されると予想される期間が終身であることを示していたので、年数で期間を表示することは不可能であった。さらに、他のいくつかの国は、保険種類30のデータが不十分であるため、排除された。
                                            3) 繰延年金商品の金利保証
この情報要求には、積立段階及び支払段階での繰延年金商品の金利保証に関するその他の質問も含まれていた。全体として、約68%の繰延年金商品に金利保証が含まれている。これらのうち、81%が契約の全期間に適用される金利保証を有し、12%が積立段階にのみに適用される金利保証を有し、そして5%が支払段階にのみ適用される金利保証を有していた。
            この情報要求には、積立段階及び支払段階での繰延年金商品の金利保証に関するその他の質問も含まれていた。全体として、約68%の繰延年金商品に金利保証が含まれている。これらのうち、81%が契約の全期間に適用される金利保証を有し、12%が積立段階にのみに適用される金利保証を有し、そして5%が支払段階にのみ適用される金利保証を有していた。
(2019年02月14日「保険・年金フォーカス」)
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