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- 良好な環境が続くも、見通しはやや悲観的に~価格のピークは今年中が最多、米中関係に注視-第15回不動産市況アンケート結果
2019年02月08日
(2) 前回調査との比較 [懸念が高まった(後退した)リスク要因]
(i)懸念が高まったリスク要因
前回調査から回答割合が10%以上増加したリスク要因は、「中国経済」(前回17.7%→今回64.9%)、「米国政治・外交」(前回17.7%→今回54.4%)、「国内景気」(前回31.0%→今回43.0%)であった(図表-7)。
「中国経済」との回答は、前回調査から大幅に増加し、6割強を占めた。2018年第4四半期の中国の実質経済成長率は6.4%と、3四半期連続で減速した。中国政府は、党大会後の2017年冬、「重大リスクの防止・解消」に舵を切り、債務圧縮を進めたため、2018年に入りインフラ投資が減少した。そこに米中貿易摩擦が追い討ちをかけたことで、株式市場が低迷し、自動車販売が前年割れに落ち込むなど高額消費も減少しており、中国経済の悪化への懸念が高まっている1。
「米国政治・外交」と「国内景気」との回答も、前回調査から大幅に増加しており、米中貿易摩擦の先行きや、中国経済の減速が日本経済に与える影響を懸念する不動産実務家・専門家は多いと推察される。
1 三尾幸吉郎「中国経済の現状と今後の注目点~債務圧縮(デレバレッジ)と景気対策には矛盾点、19年成長率目標は引き下げか」(2019.1.25)
(i)懸念が高まったリスク要因
前回調査から回答割合が10%以上増加したリスク要因は、「中国経済」(前回17.7%→今回64.9%)、「米国政治・外交」(前回17.7%→今回54.4%)、「国内景気」(前回31.0%→今回43.0%)であった(図表-7)。
「中国経済」との回答は、前回調査から大幅に増加し、6割強を占めた。2018年第4四半期の中国の実質経済成長率は6.4%と、3四半期連続で減速した。中国政府は、党大会後の2017年冬、「重大リスクの防止・解消」に舵を切り、債務圧縮を進めたため、2018年に入りインフラ投資が減少した。そこに米中貿易摩擦が追い討ちをかけたことで、株式市場が低迷し、自動車販売が前年割れに落ち込むなど高額消費も減少しており、中国経済の悪化への懸念が高まっている1。
「米国政治・外交」と「国内景気」との回答も、前回調査から大幅に増加しており、米中貿易摩擦の先行きや、中国経済の減速が日本経済に与える影響を懸念する不動産実務家・専門家は多いと推察される。
1 三尾幸吉郎「中国経済の現状と今後の注目点~債務圧縮(デレバレッジ)と景気対策には矛盾点、19年成長率目標は引き下げか」(2019.1.25)
(ii)懸念が後退したリスク要因
一方、前回調査から回答割合が10%以上減少したリスク要因は、「地政学リスク」(前回62.8%→今回11.4%)、「欧米経済」(前回58.4%→今回27.2%)であった(図表-7)。
「地政学リスク」は、前回調査では北朝鮮によるミサイル発射や核実験等を受けて、最も懸念されたリスク要因であった。2018年に入り米朝首脳会談が開催され、まもなく2度目の首脳会談が予定されている。北朝鮮からミサイル攻撃等のリスク懸念は後退しており、今回調査では「地政学リスク」との回答が大幅に減少したと考えられる。
「金利」との回答も、前回調査から大幅に減少した。2018年4月に黒田日銀総裁が再任され、金融政策(長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みによる金融調節方針)に大幅な変更はなく、金利に対するリスク懸念が後退しているものと思われる。
一方、前回調査から回答割合が10%以上減少したリスク要因は、「地政学リスク」(前回62.8%→今回11.4%)、「欧米経済」(前回58.4%→今回27.2%)であった(図表-7)。
「地政学リスク」は、前回調査では北朝鮮によるミサイル発射や核実験等を受けて、最も懸念されたリスク要因であった。2018年に入り米朝首脳会談が開催され、まもなく2度目の首脳会談が予定されている。北朝鮮からミサイル攻撃等のリスク懸念は後退しており、今回調査では「地政学リスク」との回答が大幅に減少したと考えられる。
「金利」との回答も、前回調査から大幅に減少した。2018年4月に黒田日銀総裁が再任され、金融政策(長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みによる金融調節方針)に大幅な変更はなく、金利に対するリスク懸念が後退しているものと思われる。
5.不動産価格のピーク時期
「東京の不動産価格のピーク時期」について、「2019年」(35.1%)との回答が最も多く、次いで「2018年または現時点」(27.2%)との回答が多かった(図表-9)。前回調査と同様に、東京五輪開催前の今年(2019年)に不動産価格のピークを迎えるとの見方に変化はなかった。
好調な市況が続いているものの、「景況見通しDI」はマイナスに転じて、一部ではやや悲観的な見方が強まっている。2019年10月には消費税率の10%への引き上げが予定されており、東京五輪関連投資も概ね2019年中に一段落する。
以上の情勢を鑑みて、今年中に不動産価格のピークを迎えると判断する実務家・専門家が多かったと思われる。
「東京の不動産価格のピーク時期」について、「2019年」(35.1%)との回答が最も多く、次いで「2018年または現時点」(27.2%)との回答が多かった(図表-9)。前回調査と同様に、東京五輪開催前の今年(2019年)に不動産価格のピークを迎えるとの見方に変化はなかった。
好調な市況が続いているものの、「景況見通しDI」はマイナスに転じて、一部ではやや悲観的な見方が強まっている。2019年10月には消費税率の10%への引き上げが予定されており、東京五輪関連投資も概ね2019年中に一段落する。
以上の情勢を鑑みて、今年中に不動産価格のピークを迎えると判断する実務家・専門家が多かったと思われる。
(ご注意)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものでもありません。
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(2019年02月08日「不動産投資レポート」)
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