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- 貿易統計18年10月-輸出は自然災害の影響剥落で増加に転じるも、減速基調は変わらず
2018年11月19日
1.貿易収支(季節調整値)は4ヵ月連続の赤字
財務省が11月19日に公表した貿易統計によると、18年10月の貿易収支は▲4,493億円と2ヵ月ぶりの赤字となり、事前の市場予想(QUICK集計:▲488億円、当社予想は▲1,473億円)を大きく下回る結果となった。輸出は前年比8.2%(9月:同▲1.3%)と2ヵ月ぶりに増加したが、輸入が前年比19.9%(9月:同7.0%)の大幅増加となったため、貿易収支は前年に比べ▲7,278億円の悪化となった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比3.8%(9月:同▲4.9%)、輸出価格が前年比4.3%(9月:同3.7%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比10.3%(9月:同▲2.7%)、輸入価格が前年比8.7%(9月:同10.0%)であった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比3.8%(9月:同▲4.9%)、輸出価格が前年比4.3%(9月:同3.7%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比10.3%(9月:同▲2.7%)、輸入価格が前年比8.7%(9月:同10.0%)であった。
季節調整済の貿易収支は▲3,027億円と4ヵ月連続の赤字となり、赤字幅は9月の▲1,415億円から拡大した。輸出入ともに前月比で増加したが、輸入の増加幅(前月比6.6%)が輸出の増加幅(前月比4.3%)を上回ったことが貿易赤字の拡大につながった。
2.輸出の減速基調は変わらず
10月の輸出数量指数を地域別に見ると、米国向けが前年比10.1%(9月:同▲3.0%)、EU向けが前年比6.9%(9月:同▲4.7%)、アジア向けが前年比1.3%(9月:同▲4.6%)と主要3地域向けの全てが9月のマイナスからプラスに転じた。
10月の地域別輸出数量指数を季節調整値(当研究所による試算値)でみると、米国向けが前月比3.4%(9月:同▲5.4%)、EU向けが前月比10.7%(9月:同▲8.7%)、アジア向けが前月比4.1%(9月:同▲4.0%)、全体では前月比3.8%(9月:同▲3.1%)となった。
10月の輸出数量は、自然災害の影響剥落を主因として高めの伸びとなったが、10月の指数(当研究所による季節調整値)は自然災害によって押し下げられる前の4-6月期の水準を取り戻していない。製造業PMI(購買者担当指数)は17年末をピークに低下傾向が続き、日本の輸出数量に対して先行性のあるOECD景気先行指数(OECD+非加盟主要6カ国)も18年入り後は緩やかに低下するなど、輸出を取り巻く環境は徐々に厳しさを増している。米国経済は好調を維持しているが、欧州、中国をはじめとした新興国の回復ペース鈍化を背景に、輸出の減速傾向が続いていると判断される。
10月の地域別輸出数量指数を季節調整値(当研究所による試算値)でみると、米国向けが前月比3.4%(9月:同▲5.4%)、EU向けが前月比10.7%(9月:同▲8.7%)、アジア向けが前月比4.1%(9月:同▲4.0%)、全体では前月比3.8%(9月:同▲3.1%)となった。
10月の輸出数量は、自然災害の影響剥落を主因として高めの伸びとなったが、10月の指数(当研究所による季節調整値)は自然災害によって押し下げられる前の4-6月期の水準を取り戻していない。製造業PMI(購買者担当指数)は17年末をピークに低下傾向が続き、日本の輸出数量に対して先行性のあるOECD景気先行指数(OECD+非加盟主要6カ国)も18年入り後は緩やかに低下するなど、輸出を取り巻く環境は徐々に厳しさを増している。米国経済は好調を維持しているが、欧州、中国をはじめとした新興国の回復ペース鈍化を背景に、輸出の減速傾向が続いていると判断される。
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
(2018年11月19日「経済・金融フラッシュ」)
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