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- 中国経済:景気指標の総点検(2018年秋季号)~「景気悪化」のサインが継続
2018年09月28日
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■要旨
- 供給面の景気指標を点検すると、国内総生産(GDP)に大きく影響する工業生産(実質付加価値ベース)が4-6月期の同6.6%増を大きく下回っており、9月も同水準の伸びに留まるようだと18年7-9月期の成長率は6%台前半に落ち込む恐れがある(下左図)。また、製造業PMIと非製造業PMIも4-6月期の平均より低い水準で推移している。
- 他方、需要面の景気指標を点検すると、小売売上高は4-6月期と同水準の伸びを示しており、輸出も2桁増をキープするなど比較的堅調だが、固定資産投資は大きく減速した。固定資産投資が大きく減速した背景には、マクロプルーデンス管理の強化でインフラ投資が落ち込んだことがあり、米中貿易摩擦の悪影響が懸念される製造業の投資は今のところ堅調である。
- また、その他の景気指標を点検すると、電力消費量は2018年に入り期を追う毎に伸びが鈍化してきており、貨物輸送量も4-6月期の伸びを下回った。一方、消費者物価の上昇率は前年比2%台前半に留まり、18年度の抑制目標である3%前後を下回っている。しかし、工業生産者出荷価格は前年比4%台の上昇率を示し、その上昇が消費財にも波及し始めた兆しがある。また、通貨供給量は引き続き低い伸びだが、銀行融資には伸びが加速する気配がある。
- 景気10指標を集計した景気評価点をみると、ここ数ヵ月は「横ばい」よりも下の水準で推移しており、景気は悪化していると判断できる(下右図)。
(2018年09月28日「Weekly エコノミスト・レター」)
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三尾 幸吉郎
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