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東京都心部Aクラスビルのオフィス市況見通し(2018年8月)-オフィス市況のピークアウトは2019年後半に後ずれ
佐久間 誠
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3. 企業の賃料負担力が高まらず伸び悩むオフィス賃料
6 三幸エステートとニッセイ基礎研究所が共同で開発した成約賃料に基づくオフィスマーケット指標。
7 森ビル「2007年 東京23区オフィスニーズに関する調査」(2007.12.20)によれば、ビル選定にあたって重視する条件として、金融・保険業のうち74%は賃料が高くなっても執務スペースの確保を優先すると回答し、同68%は賃料が高くなっても立地を優先すると回答している。
8 森ビル「2017年東京23区オフィスニーズに関する調査」(2017.12.20)
9 オフィスレント・インデックスは、共益費を除いた成約賃料の指数である。共益費を5,000円程度と仮定すれば、共益費を含んだAクラスビルの成約賃料は2018年2Q時点で、42,000円/坪程度と想定される。
4. 東京都心部Aクラスビル市況見通し
その結果、東京都心部Aクラスビルの賃料は、標準シナリオでは、2019年3Qのピークまで2018年2Q対比+0.7%上昇した後、2022年1Qまでにピークから▲17.3%の下落。また、楽観シナリオでは、2019年3Qまで2018年2Q対比+7.8%上昇した後、2022年1Qまでにピークから▲12.7%下落。悲観シナリオでは、2022年1Qまで2018年2Q対比▲27.5%下落することが見込まれる。
Aクラスビルの空室率は、2019年3Qまではおおむね横ばいで推移した後、2019年4Qから徐々に上昇(悪化)した後、2021年前半をピークに低下(改善)に転じる見通しである。
以上のように、2019年3Qまでは堅調なオフィス需要を背景に、東京オフィス市況は底堅く推移するが、その後は2019年10月の消費税増税や2020年の大量供給を控えて、ピークアウトする見込みだ。しかし、リーマンショック後に見られたようなオフィス需要の急減は想定していない。そのため、空室率は穏やかな上昇にとどまり、成約賃料(標準シナリオ)は2022年1Qのボトムにおいても2015年初の水準(31,000円/坪前後)で下げ止まることが予想される。
10 2018年2月に発表した市況見通しは佐久間誠「東京都心部Aクラスビルのオフィス市況見通し(2018年)-2018年~2024年のオフィス賃料・空室率」(2018.2.8)を参照のこと。
(ご注意)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものでもありません。
(2018年08月13日「不動産投資レポート」)
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