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2018年02月09日
景気ウォッチャー調査(18年1月)~降雪や寒波により来客数が伸び悩み、6ヵ月ぶりに節目の50割れ~
経済研究部 研究員・総合政策研究部兼任 白波瀨 康雄
1.景気の現状判断DI(季節調整値):大幅に悪化し、6ヵ月ぶりに節目の50割れ
2月8日に内閣府から公表された2018年1月の景気ウォッチャー調査によると、景気の現状判断DI(季節調整値)は49.9と前月から4.0ポイント低下し、2ヵ月連続の悪化となった。家計動向関連が大幅に悪化したことで、6ヵ月ぶりに節目となる50を下回った。なお、内閣府は、基調判断を「緩やかに回復している」から「天候要因等により一服感がみられるものの緩やかな回復基調が続いている」へと修正した。
今回の調査では、降雪や寒波の影響で来客数が伸び悩んだことで、家計動向関連が景況感を大きく押し下げた。企業動向関連では、引き続き受注が好調に推移しているが、頭打ちになっていると判断する企業もみられた。また、引き続き、原材料費の上昇や人件費の増加などにより受注が増えても利益に結び付かない企業もみられる。雇用関連では、企業の求人活動は活発だが、求職者数の伸び悩みやミスマッチの状況が続いている。
今回の調査では、降雪や寒波の影響で来客数が伸び悩んだことで、家計動向関連が景況感を大きく押し下げた。企業動向関連では、引き続き受注が好調に推移しているが、頭打ちになっていると判断する企業もみられた。また、引き続き、原材料費の上昇や人件費の増加などにより受注が増えても利益に結び付かない企業もみられる。雇用関連では、企業の求人活動は活発だが、求職者数の伸び悩みやミスマッチの状況が続いている。
2.家計動向関連は降雪や寒波により来客数が伸び悩み

住宅関連では、「富裕層向けの高額マンションの販売が堅調に推移し、前年の秋よりも、1億円前後の高額物件の販売事例が増えている。ただし、1次取得者向けの物件が上向く気配はみられず、価格の上昇が進むなかで、低金利が販売を下支えしている」(近畿・その他住宅[情報誌])というコメントがある一方で、「新築分譲マンションは、販売状況の芳しくない物件が増えており、完成在庫を減らすための値引きが多くなっている」(近畿・住宅販売会社)というコメントもあり、物件の価格帯によって販売状況が二極化しているようだ。
企業動向関連では、製造業(前月差▲4.6ポイント)、非製造業(同▲1.2ポイント)とも悪化した。コメントをみると、「ケーブルテレビ業界では、4Kテレビ放送への対応で、特に地方都市の有力事業者で設備の強化が進められている。当社でも、来年度の工事受注拡大や機器増産に向けて体制を整えている」(東海・電気機械器具製造業)や、「一部AI関係の部品の取引先が忙しく、1年先の注文まで受けている。他の取引先は仕事量が少なく、価格も安いため、全体として余り変わらない」(南関東・金属製品製造業)など、電機・IT業界では新技術への需要が高まっているようだ。一方、「販売量、売上共に好調であるが、増加傾向にあるとは言えない」(中国・化学工業)や、「受注量は順調であるが、上向いているとは思えない」(近畿・一般機械器具製造業)など、受注の勢いにやや陰りがみられるというコメントもみられた。また、「1~3月の販売額は今期初めて前年実績を下回る見込み。そうした環境のなかで、原油価格上昇に伴う原材料の値上げ・人手不足による人件費及び輸送コストの高騰が懸念され、マインド的に警戒感の方が強くなってしまう」(四国・木材木製品製造業)など、引き続きコストの増加による収益悪化が懸念されている。
雇用関連では、「求人広告の掲載数が前年同月比で増加しており、問合せも多い」(東海・新聞社[求人広告])など、企業の採用活動は活発な状態が続いている。ただし、「求職登録者の数が極めて少なく、紹介できる人材が不足している。また、マッチングの際にも困難な状況が続いている」(北陸・民間職業紹介機関)や「人手不足により様々な企業からの求人の問合せが多いが、求職者が少ない状況が続いているので、お断りするケースも増えている」(沖縄・人材派遣会社)など、求職者数の伸び悩みやミスマッチの状況も続いている。
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