2018年01月31日

2018年度の公的年金額は、なぜ据え置かれるのか?-年金額の改定ルールと年金財政への影響、見直し内容の確認

保険研究部 上席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査室長 兼任 中嶋 邦夫

このレポートの関連カテゴリ

文字サイズ

■要旨

2018年度の公的年金額は2017年度から据え置かれることが、2018年1月26日に発表されました1。物価や賃金が変動している中で、なぜ公的年金額は据え置かれるのでしょうか。本稿では、年金額の改定ルールの内容や年金財政への影響を再確認し、これらが今回の改定でどのように機能しているかを、厚生労働省のプレスリリースに沿って解説します。さらに、2016年に「年金カット法案」と話題になった改定ルールの見直しについても確認し、今後の注目点を展望します。

■目次

1 ―― 年金額の改定ルール:本則ルールと年金財政健全化のための調整ルールの2つを適用
  1|改定ルールの全体像
  2|本則の改定ルール
  3|年金財政健全化のための調整ルール(いわゆるマクロ経済スライド)
2 ―― 改定ルールの見直し:特例を見直し、年金財政の悪化を抑制
  1|見直しの背景
  2|見直しの内容
3 ―― 2018年度分の年金額改定(プレスリリースの解説):特例が適用され年金財政に悪影響
  1|本則の改定に特例ルールが適用
  2|年金財政健全化のための調整(いわゆるマクロ経済スライド)にも特例ルールが適用
  3|今回の改定における適用状況のまとめと将来への影響
  4|今後の見直しの影響(仮に2018年度分の改定に見直しが適用された場合)
4 ―― 今後の注目点:消費税率の引き上げを控えて、2019年度の改定が焦点に
Xでシェアする Facebookでシェアする

このレポートの関連カテゴリ

保険研究部   上席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査室長 兼任

中嶋 邦夫 (なかしま くにお)

研究・専門分野
公的年金財政、年金制度全般、家計貯蓄行動

経歴
  • 【職歴】
     1995年 日本生命保険相互会社入社
     2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
     2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
    (2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)

    【社外委員等】
     ・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
     ・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
     ・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
     ・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
     ・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)

    【加入団体等】
     ・生活経済学会、日本財政学会、ほか
     ・博士(経済学)

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【2018年度の公的年金額は、なぜ据え置かれるのか?-年金額の改定ルールと年金財政への影響、見直し内容の確認】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

2018年度の公的年金額は、なぜ据え置かれるのか?-年金額の改定ルールと年金財政への影響、見直し内容の確認のレポート Topへ