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- 金相場の上昇は何を意味するのか?~金融市場の動き(1月号)
2018年01月09日
3.金融市場(12月)の振り返りと当面の予想
(10年国債利回り)
12月の動き 月初0.0%台前半でスタートし、月末は0.0%台半ばに。
月初、0.0%台前半でスタートした後、10年債の入札が弱めの結果となったことで、5日に0.0%台後半へと上昇。しばらく0.0%台半ばでの推移が続いた後、5年債入札が順調な結果となったことを受けて12日に0.0%台前半へ低下。その後は0.0%台前半から半ばでの展開となったが、米国で税制改革法案が可決され、米長期金利が上昇したことを受けて、21日には0.0%台後半に。しかし、良好な需給環境が意識され翌日には再び0.0%台半ばに低下し、月末にかけて0.0%台半ばでの推移が継続。膠着感の強い1カ月となった。
当面の予想
本日、日銀のオペ減額を受けてやや上昇し、足元は0.0%台後半にある。今後も日銀オペの動向には注意が必要だが、現時点で日銀が大幅な金利上昇を促すことは想定しづらい。また、米長期金利は税制改革法案の成立を受けて0.1%ほど上昇したが、目先にさらに大幅な上昇を促すような材料は見当たらない。従って、米国発の金利上昇圧力も限定的となり、当面は金利が上がりづらい地合いが続くだろう。0.0%台半ばから後半での一進一退の展開を予想する。
12月の動き 月初0.0%台前半でスタートし、月末は0.0%台半ばに。
月初、0.0%台前半でスタートした後、10年債の入札が弱めの結果となったことで、5日に0.0%台後半へと上昇。しばらく0.0%台半ばでの推移が続いた後、5年債入札が順調な結果となったことを受けて12日に0.0%台前半へ低下。その後は0.0%台前半から半ばでの展開となったが、米国で税制改革法案が可決され、米長期金利が上昇したことを受けて、21日には0.0%台後半に。しかし、良好な需給環境が意識され翌日には再び0.0%台半ばに低下し、月末にかけて0.0%台半ばでの推移が継続。膠着感の強い1カ月となった。
当面の予想
本日、日銀のオペ減額を受けてやや上昇し、足元は0.0%台後半にある。今後も日銀オペの動向には注意が必要だが、現時点で日銀が大幅な金利上昇を促すことは想定しづらい。また、米長期金利は税制改革法案の成立を受けて0.1%ほど上昇したが、目先にさらに大幅な上昇を促すような材料は見当たらない。従って、米国発の金利上昇圧力も限定的となり、当面は金利が上がりづらい地合いが続くだろう。0.0%台半ばから後半での一進一退の展開を予想する。
(ドル円レート)
12月の動き 月初112円台前半でスタートし、月末は112円台後半に。
月初、112円台での推移を経た後、米つなぎ予算の成立や税制改革手続きの進展を受けてドルが買われ、8日に113円台前半に。堅調な雇用統計結果を受けた11日には113円台後半へと一段高に。その後はFOMCで来年の利上げ見通しが据え置かれたことを受けてドル売りに転じ、14日には112円台に下落。月下旬には米税制改革が可決されたことでドルが再び買われ、21日には113円台前半に上昇、その後も113円台前半での推移となったが、月末は北朝鮮リスクへの警戒からリスク回避的に円が買われ、112円台後半で着地した。
当面の予想
今月に入り、世界的なリスク選好地合いと堅調な米雇用統計を受けてやや円安ドル高が進み、一旦113円台に乗せたが、本日、日銀オペの減額を受けて円高に振れ、足元は112円台後半にある。先月末の米税制改革法案成立は米景気・物価の押し上げ要因であるほか、米企業による米本土への資金還流を促す意味においてもドル高要因となる。ただし、効果の顕在化にはしばらく時間がかかるため、当面は様子見の時間帯になりそうだ。115円の節目はまだ遠い。株価の調整や地政学リスクの緊迫化などで市場がリスク回避に傾く場面において、一時的に円高に振れる場面も想定される。
12月の動き 月初112円台前半でスタートし、月末は112円台後半に。
月初、112円台での推移を経た後、米つなぎ予算の成立や税制改革手続きの進展を受けてドルが買われ、8日に113円台前半に。堅調な雇用統計結果を受けた11日には113円台後半へと一段高に。その後はFOMCで来年の利上げ見通しが据え置かれたことを受けてドル売りに転じ、14日には112円台に下落。月下旬には米税制改革が可決されたことでドルが再び買われ、21日には113円台前半に上昇、その後も113円台前半での推移となったが、月末は北朝鮮リスクへの警戒からリスク回避的に円が買われ、112円台後半で着地した。
当面の予想
今月に入り、世界的なリスク選好地合いと堅調な米雇用統計を受けてやや円安ドル高が進み、一旦113円台に乗せたが、本日、日銀オペの減額を受けて円高に振れ、足元は112円台後半にある。先月末の米税制改革法案成立は米景気・物価の押し上げ要因であるほか、米企業による米本土への資金還流を促す意味においてもドル高要因となる。ただし、効果の顕在化にはしばらく時間がかかるため、当面は様子見の時間帯になりそうだ。115円の節目はまだ遠い。株価の調整や地政学リスクの緊迫化などで市場がリスク回避に傾く場面において、一時的に円高に振れる場面も想定される。
(ユーロドルレート)
12月の動き 月初1.18ドル台後半からスタートし、月末は1.19ドル台後半に。
月初、英国のEU離脱を巡る不透明感や米税制改革への期待からユーロ安ドル高が進み、8日には1.17ドル台前半に。その後一進一退を経た後、FOMCで来年の利上げ見通しが据え置かれたことを受けてドルが売られ、14日には1.18ドル台半ばに上昇。以降は米税制改革の可決を受けたドル高圧力とドイツ債利回り上昇に伴うユーロ高圧力が拮抗する形で1.18ドル台での展開が継続。月末は原油高に伴い資源国通貨に対するドル売りが対ユーロにも波及したことや、良好な独経済指標を受けてユーロ高が進み1.19ドル台後半で着地した。
当面の予想
今月に入り、良好な欧州経済指標やドルの伸び悩みを受けて1.20ドル台に乗せたが、その後持ち高調整が入り、足元は1.19ドル台後半で推移。ユーロの高止まりが続いているが、ECBの政策変更はしばらく無いこと、投機筋のユーロ買いポジションが大きく積み上がっており、利益確定売りが入りやすいこと、ドイツでの連立交渉や3月のイタリア総選挙を巡って政治リスクへの警戒が燻りやすいことから、ユーロは今後弱含む可能性が高いとみている。とはいえ、ドル高圧力も限定的に留まりそうなため、ユーロが大きく下落することもないだろう。
12月の動き 月初1.18ドル台後半からスタートし、月末は1.19ドル台後半に。
月初、英国のEU離脱を巡る不透明感や米税制改革への期待からユーロ安ドル高が進み、8日には1.17ドル台前半に。その後一進一退を経た後、FOMCで来年の利上げ見通しが据え置かれたことを受けてドルが売られ、14日には1.18ドル台半ばに上昇。以降は米税制改革の可決を受けたドル高圧力とドイツ債利回り上昇に伴うユーロ高圧力が拮抗する形で1.18ドル台での展開が継続。月末は原油高に伴い資源国通貨に対するドル売りが対ユーロにも波及したことや、良好な独経済指標を受けてユーロ高が進み1.19ドル台後半で着地した。
当面の予想
今月に入り、良好な欧州経済指標やドルの伸び悩みを受けて1.20ドル台に乗せたが、その後持ち高調整が入り、足元は1.19ドル台後半で推移。ユーロの高止まりが続いているが、ECBの政策変更はしばらく無いこと、投機筋のユーロ買いポジションが大きく積み上がっており、利益確定売りが入りやすいこと、ドイツでの連立交渉や3月のイタリア総選挙を巡って政治リスクへの警戒が燻りやすいことから、ユーロは今後弱含む可能性が高いとみている。とはいえ、ドル高圧力も限定的に留まりそうなため、ユーロが大きく下落することもないだろう。
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経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
(2018年01月09日「Weekly エコノミスト・レター」)
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