中国の生命保険市場（2016年版）基礎データ－【アジア・新興国】中国保険市場の最新動向（29）

保険研究部主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任片山ゆき

■要旨

急成長を続ける中国の生命保険市場は、2016年時点でアメリカ、日本に次いで3番目の規模となっている。加えて、中国市場の成長の勢いはアメリカ、日本を凌いでいる。
上位5カ国の収入保険料の伸び率を見てみると、直近3年間では中国がその他の4カ国を遥かに凌いでいる。中国は、世界における規模、その成長率から、近年の生命保険市場を牽引する存在になりつつあると言えよう。
また、国民1人あたりの生命保険料収入や、GDPに占める生命保険料収入の割合は世界平均にも達しておらず、今後の成長余地は大きい。
2016年の生保収入保険料は、前年比36.5％増の2兆2,235億元で、日本円ではおよそ37兆円規模となった。
商品については、予定利率の上限緩和措置を受けて、無配当保険の販売が伸び、市場全体の48.2％を占めた。販売チャネルについては、個人代理人が全体の46.2％、銀行窓販が44.1％と2大チャネルとなっている。
保険会社は、国内系生保の市場占有率が高く、外資系生保の市場占有率は6.3％である。しかし、国内系生保のうち、国有大手の占有率は急速に下がっている。直近4年間では、上位3社の占有率が55.2％から38.9％まで下落、替わって台頭しているのが新興の中堅生保である。
資産運用について、既存の大手４社を中心に概観すると、債券、定期預金、貸付といった安全な資産を中心に運用されている。
2016年は大きな成長と共に、市場の健全化も進んだ。2017年も引き続き堅調に成長が進むと考えられる。

■目次

1－市場概況
2－商品構成
3－販売チャネル構成
4－保険金・給付金、解約払戻金等の支払いの状況
5－主要な保険会社の業績状況
6－資産運用状況
7－収支状況
8－保険の地域別普及状況〔生損保合計〕
9－世界における中国生命保険市場の位置づけ
10－おわりに

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片山ゆき (かたやまゆき)

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片山 ゆき (かたやま ゆき)

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