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- 米国経済の見通し-ハリケーンにも拘らず、米経済の基調は底堅い。税制改革も含めた今後の経済政策に注目
2017年12月11日
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■要旨
- 米国の7-9月期成長率(前期比年率)は、+3.3%(前期:+3.1%)と相次ぐハリケーンにも拘らず前期から伸びが加速。消費や投資は鈍化も在庫投資や外需が成長を押し上げ。
- 10-12月期は、在庫や外需の押し上げ幅縮小もあって、成長率は低下が見込まれる。しかしながら、雇用不安の後退に加え、堅調な株価や減税期待を背景に消費者センチメントは高水準を維持しており、好調な年末商戦が見込まれることから、個人消費の伸びは前期からの加速が予想される。このため、成長率の低下幅は限定的となろう。
- 一方、来年以降の米国経済に大きな影響を与える経済政策では、法人税率の引き下げを柱とする税制改革が実現に向けて前進しており、設備投資や雇用増加が期待される。一方、インフラ投資など他の経済政策については来年中間選挙が控えていることもあって、この先の見通しは不透明である。
- 当研究所では、成長率(前年比)は17年が+2.3%となった後、18年が+2.5%、19年が+2.1%と予想する。減税などの経済政策で成長率は18年が+0.3%持ち上げられる一方、19年は中立とした。
- 金融政策は、パウエル新議長の元、基本的には現在の金融政策方針が継続されるとみており、18年に年3回、19年に年2回の利上げを予想する。ただし、FOMCで投票権のあるメンバーの多くが未定であり、その人選によっては金融政策方針が大幅に軌道修正される可能性も否定できない。
- 米経済に対するリスクは、北朝鮮をはじめとする地政学リスクに加え、米国内政治の混乱を引き起こしているトランプ大統領自身が最大のリスクとの見方に変わりはない。
■目次
1.経済概況・見通し
・(経済概況)7‐9月期の成長率は前期から伸びが加速、在庫、外需が押し上げ
・(経済見通し)成長率は18年+2.5%、19年+2.1%を予想
2.実体経済の動向
・(労働市場)労働需給のタイト化が持続する中、賃金上昇率は緩やかに加速へ
・(設備投資)企業景況感は高水準を維持、法人税制改革が設備投資を
後押しする見込み
・(住宅投資)住宅需要の堅調さを反映し、住宅投資は回復へ
・(政府支出、財政収支)12月下旬まで政府閉鎖は回避、税制改革は
18年1-3月期成立見込み
・(貿易)外需寄与度はマイナスに変換も、来年以降は通商政策動向が影響
3.物価・金融政策・長期金利の動向
・(物価)コアインフレ率は底打ちの可能性、エネルギー価格上昇から
総合指数は緩やかに上昇
・(金融政策)12月に追加利上げ、18年は年3回の利上げ予想も人選に注目
・(長期金利)19年にかけて3%台前半に上昇を予想
1.経済概況・見通し
・(経済概況)7‐9月期の成長率は前期から伸びが加速、在庫、外需が押し上げ
・(経済見通し)成長率は18年+2.5%、19年+2.1%を予想
2.実体経済の動向
・(労働市場)労働需給のタイト化が持続する中、賃金上昇率は緩やかに加速へ
・(設備投資)企業景況感は高水準を維持、法人税制改革が設備投資を
後押しする見込み
・(住宅投資)住宅需要の堅調さを反映し、住宅投資は回復へ
・(政府支出、財政収支)12月下旬まで政府閉鎖は回避、税制改革は
18年1-3月期成立見込み
・(貿易)外需寄与度はマイナスに変換も、来年以降は通商政策動向が影響
3.物価・金融政策・長期金利の動向
・(物価)コアインフレ率は底打ちの可能性、エネルギー価格上昇から
総合指数は緩やかに上昇
・(金融政策)12月に追加利上げ、18年は年3回の利上げ予想も人選に注目
・(長期金利)19年にかけて3%台前半に上昇を予想
(2017年12月11日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
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