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- 中国経済:景気指標の総点検(2017年春季号)~回復の動きに死角は無いか?
その他の指標では電力消費量が注目される。17年1-2月期の伸びは前年同期比6.3%増と16年通期の同5.0%増を上回った。内訳を見ると、全体の7割を消費する第2次産業が主因であり、第3次産業や世帯用の伸びは16年通期と比べてやや鈍化している(図表-11)。
【貨物輸送量】
貨物輸送量も経済活動の動きを読む上で重要な指標である。17年1-2月期の伸びは前年同期比8.3%増と16年通期の同5.7%増を上回る伸びを示した。内訳を見ると、航空貨物の伸びはやや鈍化したものの、鉄道貨物が16年のマイナスから17年1-2月期は大幅プラスに転じ、全体の4分の3を占める道路貨物や、伝統的な輸送手段である水路貨物も伸びを高めた(図表-12)。
【工業生産者出荷価格】
景気の体温と言われる物価も重要な景気指標である。17年2月の工業生産者出荷価格は前年同月比7.8%上昇するなどデフレは解消しつつある。原油など資源高を受けて生産財が急上昇したほか消費財も若干上昇した。今後は消費者物価に上昇圧力が波及する流れとなりそうだ(図表-13)。
【通貨供給量(M2)】
金融面から景気を見る代表指標としては通貨供給量(M2)が挙げられる。ここもとの動きを見ると、17年2月は前年同月比11.1%増と「12%前後」とされた政府見通しをやや下回る伸びに留まった(図表-14)。但し、融資サイドから見ると、投資に結び付くことの多い中長期融資は同19.2%増と極めて高い伸びを示しており、中国人民銀行は金融をやや引締め方向に調整しつつある。
3.総合指標の点検
2 景気評価点に関しては「景気の動向を簡単に把握できないか?」年金ストラテジー (Vol.219) September 2014を参照。
3 李克強指数は、李克強首相が遼寧省党委員会書記だった2007年、景気実態を表す統計として、電力消費量(工業)、鉄道貨物輸送量、銀行貸出残高(中長期)の3つを重視したことに由来する。加重割合は様々あるが、ここでは3指標を均等に加重している。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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三尾 幸吉郎
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(2017年03月31日「Weekly エコノミスト・レター」)
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