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九州のインバウンド観光需要-九州における訪日外国人旅行者の特性と需要動向

竹内 一雅
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1. はじめに
1 本稿は福岡リアルティと日本不動産研究所主催の「第9回不動産・金融経済交流会」(2016.9.23開催)で講演させていただいた「九州のインバウンド観光需要について」から内容を抜粋するとともにデータを更新し、再構成したものである。
2. 九州における訪日外国人旅行者の動向
九州への国籍別入国者の特徴として、韓国人の多さと、入国方法にも関係するがクルーズ船による入国(国籍は非開示)の多さがあげられる2(図表-3、4)。2015年の九州への入国者数283万人のうち、韓国からが最も多く全体の42.9%(全国では20.5%3)を占め、次いで台湾の9.8%(同17.2%)、中国の6.8%(同21.7%)、香港の5.0%(同7.1%)と続き、クルーズ船での入国者は27.8%(同5.2%)だった。なお、2016年はクルーズ船による入国者数が急増したため、九州での国別の構成比は低下がみられる(図表-5)。
クルーズ船による入国者は2015年より急増しており、特に夏期に急増する季節性がある(図表-6)。クルーズ船を除くと、九州への6割を韓国からの入国者が占めており、九州にとって最も重要な訪日客となっている。ところで、2015年の韓国でのMERS(中東呼吸器症候群)の流行や、2016年の熊本地震は、韓国からの旅行者数数を減少させた。このため、九州全体の外国人入国者数の大幅な減少が危惧されたが、それを補完したのが、クルーズ船による入国者の急増だった。
2 クルーズ船による入国者の、国籍は非開示だが、多くが中国国籍と考えられる。なお、クルーズ船入国者数は、2014年までは出入国管理統計の特例上陸許可の寄港地上陸を、2015年以降は船舶観光上陸を計上。ただしこの数値には、クルーズ船入国者のうち、数次ビザ取得者などは除外されており、実際の入国者数より過小評価となっていることに注意が必要。
3 通常、国籍別の訪日外国人旅行者数は、日本政府観光局の公表数値を用いるが、ここでは九州との比較のため、出入国管理統計の数値を利用した。日本政府観光局の公表数値との相違は、クルーズ船による入国者の国籍区分などにあると思われる。なお、日本政府観光局による2015年の国別構成比は、中国25.3%、韓国20.3%、台湾18.6%、香港7.7%だった。
(2017年01月06日「不動産投資レポート」)
竹内 一雅
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