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- 年金改革ウォッチ 2016年10月号~ポイント解説:年金数理部会による決算分析
2016年10月04日
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■要旨
1 ―― 先月までの動き
年金数理部会では、2014年度の公的年金財政状況報告が行われ、2015年度について報告を求める事項も提示されました。
また、個人型確定拠出年金制度の認知度を高める活動の一環として愛称募集キャンペーンが実施されていましたが、愛称が「iDeCo(イデコ)」に決まったことが発表されました。
2 ―― ポイント解説:年金数理部会による決算分析
9月8日の社会保障審議会年金数理部会では、2014年度の年金財政の決算分析結果(公的年金財政状況報告)が、概ね承認されました。本稿では、この分析の役割を確認し、今後に向けた課題を考えます。
1|役割:公的年金全体の把握と、次の将来見通しや制度改正に向けた現状把握
2|課題1:国民年金財政の分析の充実
3|課題2:足下の状況変化が将来に与える影響の分析についての開示
1 ―― 先月までの動き
年金数理部会では、2014年度の公的年金財政状況報告が行われ、2015年度について報告を求める事項も提示されました。
また、個人型確定拠出年金制度の認知度を高める活動の一環として愛称募集キャンペーンが実施されていましたが、愛称が「iDeCo(イデコ)」に決まったことが発表されました。
2 ―― ポイント解説:年金数理部会による決算分析
9月8日の社会保障審議会年金数理部会では、2014年度の年金財政の決算分析結果(公的年金財政状況報告)が、概ね承認されました。本稿では、この分析の役割を確認し、今後に向けた課題を考えます。
1|役割:公的年金全体の把握と、次の将来見通しや制度改正に向けた現状把握
2|課題1:国民年金財政の分析の充実
3|課題2:足下の状況変化が将来に与える影響の分析についての開示
1 ―― 先月までの動き
年金数理部会では、2014年度の公的年金財政状況報告が行われ、2015年度について報告を求める事項も提示されました。
また、個人型確定拠出年金制度の認知度を高める活動の一環として愛称募集キャンペーンが実施されていましたが、愛称が「iDeCo(イデコ)」に決まったことが発表されました。
○社会保障審議会 年金数理部会
9月8日(第71回)公的年金財政状況報告(平成26年度)、その他
URL http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000135887.html (配布資料)
また、個人型確定拠出年金制度の認知度を高める活動の一環として愛称募集キャンペーンが実施されていましたが、愛称が「iDeCo(イデコ)」に決まったことが発表されました。
○社会保障審議会 年金数理部会
9月8日(第71回)公的年金財政状況報告(平成26年度)、その他
URL http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000135887.html (配布資料)
2 ―― ポイント解説:年金数理部会による決算分析
9月8日の社会保障審議会年金数理部会では、2014年度の年金財政の決算分析結果(公的年金財政状況報告)が、概ね承認されました。本稿では、この分析の役割を確認し、今後に向けた課題を考えます。
1|役割:公的年金全体の把握と、次の将来見通しや制度改正に向けた現状把握
1|役割:公的年金全体の把握と、次の将来見通しや制度改正に向けた現状把握
この分析の第1の役割は、公的年金全体の状況把握です。厚生年金などの公的年金各制度の決算は別々に公表されていますが、同部会はこれを集約し、公的年金全体の財政状況を示しています。第2の役割は、近年の変化や将来見通しとの乖離の分析です。変化の要因分析や見通しとの乖離の把握・分析は、次の将来見通しや制度改正を考える際に重要な基礎となります。2|課題1:国民年金財政の分析の充実
国民年金の財政状況は、全員に共通する基礎年金の将来の給付水準に影響するため重要です。同部会は、5年ごとに行われる将来見通しに対しては国民年金財政の分析充実を求めていましたが、毎年の決算では分析が不十分なままです。将来見通しとの乖離要因の分析など、被用者年金なみの充実が期待されます。
3|課題2:足下の状況変化が将来に与える影響の分析についての開示
今年7月には、2015年度の年金積立金の運用成果(評価損益)が約5兆円のマイナスだったことが話題になりました。その際の人々の不安は、このマイナスが将来の年金給付にどう影響するかでした。
これに対しては、単年度ではなく長期的に見るべきことや、マイナス分は積立金の約4%に過ぎないことなどが報道されましたが、同部会が昨年公表していた「2013年度末の積立金は、将来見通しと比べて、過去の単年度の下振れ分よりも大きく上回っている」という情報報道は見かけませんでした。時点のずれがあるものの、せっかくの有用な分析結果であればであれば、周知方法の改善が期待されます。
これに対しては、単年度ではなく長期的に見るべきことや、マイナス分は積立金の約4%に過ぎないことなどが報道されましたが、同部会が昨年公表していた「2013年度末の積立金は、将来見通しと比べて、過去の単年度の下振れ分よりも大きく上回っている」という
また、影響の示し方(分析方法)にも改善の余地があります。具体的には、足下の状況変化が将来の財政状況や年金給付にどう影響するかを、直接示すことが期待されます。例えば下島(2016)*1は、実績が反映した年度について将来見通しの推計値を実績値に置き換えて、将来の積立金水準を計算するよう提案しています。ただ、この案では給付削減(マクロ経済スライド)が予定どおりに停止する前提になっているため、将来の年金給付がどうなるかという疑問には答えられません。5年ごとの本格的な将来見通しとの混同には気をつける必要がありますが、この提案をもう1歩進めて、毎年の決算分析の一環として給付削減の停止年を計算し直し、将来の給付水準への影響を示すことが期待されます。もちろんこの場合にも、単年度の影響に過剰反応せず、長期的な視野で見る必要があります。
(2016年10月04日「保険・年金フォーカス」)
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経歴
- 【職歴】
1995年 日本生命保険相互会社入社
2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)
【社外委員等】
・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)
【加入団体等】
・生活経済学会、日本財政学会、ほか
・博士(経済学)
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