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- 消費者物価(全国16年8月)~エネルギーの下落幅縮小を円高の影響が打ち消す
2016年09月30日
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1.コアCPI上昇率は6ヵ月連続のマイナス

一方、円高による輸入物価下落の影響から、食料(生鮮食品を除く)(7月:前年比1.2%→8月:同1.1%)の上昇幅が縮小したこと、教養娯楽用耐久財(7月:前年比0.0%→8月:同▲2.4%)が1年3ヵ月ぶりのマイナスとなったことなどがコアCPIを押し下げた。
コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが▲0.83%(7月:▲0.94%)、食料(生鮮食品を除く)が0.25%(7月:0.28%)、その他が0.07%(7月:0.16%)であった。
2.コアCPIは16年末頃までマイナスが継続する公算

電気代(8月:前年比▲10.6%→9月:同▲9.1%)、ガス代(8月:前年比▲15.6%→9月:同▲13.9%)、灯油(8月:前年比▲19.1%→9月:同▲17.3%)、ガソリン(8月:前年比▲13.5%→9月:同▲9.6%)の下落幅がいずれも縮小し、エネルギー価格の下落率が8月の前年比▲12.7%から同▲10.9%へと縮小する一方、被服及び履物の上昇率が8月の前年比2.4%から同0.3%へ大きく縮小したこと、テレビの下落幅急拡大(8月:前年比▲10.9%→9月:同▲21.0%)などから教養娯楽用耐久財の下落幅が拡大(8月:前年比▲0.9%→9月:同▲8.7%)したことがコアCPIを押し下げた。
東京都区部のコアCPI上昇率のうち、エネルギーによる寄与が▲0.59%(8月:▲0.70%)、食料(生鮮食品を除く)が0.20%(8月:0.20%)、その他が▲0.11%(8月:0.11%)であった。
人手不足に伴う人件費の上昇などを背景にサービス価格はプラスの伸びを維持しているが、円高による輸入物価低下の影響を受けやすい食料品、耐久財などで上昇率の鈍化が目立つようになっている。
(2016年09月30日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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