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- 法人企業統計16年4-6月期~経常利益は大幅減少だが、下げ止まりの兆しも
2016年09月01日
1.経常利益は前年比で二桁の減少
一方、非製造業の売上高経常利益率は5.8%となり2四半期続けて前年と同水準となった。製造業と同様に人件費は利益率の悪化要因となっているが、金融費用の減少が利益率を押し上げ、人件費要因のマイナスを打ち消した。
経常利益の内訳を業種別に見ると、製造業では、食料品(前年比23.8%)は増益を確保したが、海外経済減速や円高の影響などを受けて、鉄鋼(前年比▲75.6%)、はん用機械(同▲31.2%)、生産用機械(同▲37.9%)、業務用機械(同▲43.1%)、輸送用機械(同▲27.0%)などが軒並み前年比二桁の大幅減益となった。非製造業では、不動産業(前年比2.7%)は増益を維持したが、個人消費の低迷、インバウンド需要の鈍化などから卸売・小売業が前年比▲10.4%と2四半期連続の減益となった。
経常利益の内訳を業種別に見ると、製造業では、食料品(前年比23.8%)は増益を確保したが、海外経済減速や円高の影響などを受けて、鉄鋼(前年比▲75.6%)、はん用機械(同▲31.2%)、生産用機械(同▲37.9%)、業務用機械(同▲43.1%)、輸送用機械(同▲27.0%)などが軒並み前年比二桁の大幅減益となった。非製造業では、不動産業(前年比2.7%)は増益を維持したが、個人消費の低迷、インバウンド需要の鈍化などから卸売・小売業が前年比▲10.4%と2四半期連続の減益となった。
2.企業収益は最悪期を過ぎた可能性
![設備投資(ソフトウェアを含む)の推移](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/53748_ext_15_4.jpg?v=1472697377)
季節調整済の設備投資(ソフトウェアを除く)は前期比▲0.5%と小幅ながら3四半期連続で減少した。製造業(1-3月期:前期比1.5%→4-6月期:同2.0%)は2四半期連続で増加したが、非製造業が3四半期連続で減少し、減少幅が1-3月期の前期比▲0.8%から同▲1.9%へと拡大した。
4-6月期の法人企業統計の結果を前年比(原数値)でみると企業収益が大幅減少、設備投資が増加を維持となるが、前期比(季節調整値)では企業収益が増加、設備投資が減少となる。為替、海外経済など先行きの外部環境にもよるが、企業収益は大幅に悪化しているものの下げ止まりつつあると考えられる。一方、設備投資は企業収益の大幅悪化に比べれば現時点では緩やかな減少にとどまっているが、企業収益に遅れて動く傾向があるため、先行きも減速傾向が続く可能性が高いだろう。
3.4-6月期・GDP2次速報は上方修正を予測
本日の法人企業統計の結果等を受けて、9/8公表予定の16年4-6月期GDP2次速報では、実質GDPが前期比0.1%(前期比年率0.6%)となり、1次速報の前期比0.0%(前期比年率0.2%)から若干上方修正されると予測する。
![2016年4-6月期GDP2次速報の予測](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/53748_ext_15_6.jpg?v=1472697378)
民間在庫は1次速報で仮置きとなっていた原材料在庫、仕掛品在庫に法人企業統計の結果が反映され、1次速報の前期比・寄与度▲0.0%から同0.0%へと上方修正されるだろう。その他の需要項目では、6月の建設総合統計が反映されることなどから、公的固定資本形成が1次速報の前期比2.3%から同2.6%へと上方修正されると予想する。
(2016年09月01日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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