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- 「人口減少=低成長」ではない~日本経済再浮上の第一歩は悲観論の払拭
コラム
2016年05月26日

日本の人口はすでに減少局面に入っており、このことが経済成長率の低迷をもたらしているとの見方は根強い。しかし、日本の経済成長率の低下に大きく寄与しているのは人口増加率の低下よりも一人当たりGDPの伸び率低下である。
人口増加率と一人当たりGDPの伸びは無関係
日本は本当に豊かなのか
労働力人口は増えている
悲観論の払拭を
筆者は人口減少そのものよりも、人口減少によって経済が縮小するという固定概念が経済の停滞に拍車をかけていると感じている。安倍政権発足後、企業収益が過去最高を更新し続けたにもかかわらず設備投資は依然として盛り上がりに欠けている。企業が海外投資を拡大させる一方で、国内の設備投資に積極的になれない背景には、多くの経営者が人口減少下で国内市場の縮小が不可避と考えていることがあるのではないか。国内の売上増加に自信が持てないため賃上げも躊躇してしまう。企業が将来への投資よりも現在の貯蓄を優先することが、家計所得、個人消費の低迷、成長率の低下を招き、そのことが企業行動のさらなる萎縮をもたらすという悪循環に陥っている。
確かに、人口が減少するなかで従来と同じようなモノ・サービスの提供を続けるだけで売上を伸ばすことは難しい。しかし、医療、介護、旅行、スポーツなど高齢化に対応した潜在的な需要の掘り起こしによって国内の需要を拡大させることは十分期待できる。日本経済再浮上のためには人口減少を巡る悲観論の払拭が不可欠だ。
確かに、人口が減少するなかで従来と同じようなモノ・サービスの提供を続けるだけで売上を伸ばすことは難しい。しかし、医療、介護、旅行、スポーツなど高齢化に対応した潜在的な需要の掘り起こしによって国内の需要を拡大させることは十分期待できる。日本経済再浮上のためには人口減少を巡る悲観論の払拭が不可欠だ。

03-3512-1836
(2016年05月26日「研究員の眼」)
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