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2016年02月29日
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3――各都市間のオフィス・リターンの相関
4――オフィス以外の用途のリターン
用途別の累積リターンをさらに都市レベルで見ると(図表8-10)、各用途で好調な都市がそれぞれ異なるものの、同じ経済圏にあることで異なる用途でも近いトレンドが見られる都市もある。なお、図表8-10の累積リターンの期間については、都市や用途によって算出開始時点が異なるため、用途ごとに全ての都市のデータがそろう時点を始点としたグラフ(右)と、各都市の算出開始時点をそれぞれ始点としたグラフ(左)を掲載した。
商業施設では、マイアミが他都市に比べ回復が顕著で、ダラス、アトランタはやや回復ペースが緩やかなものとなっているが、全般に大きな差になっていない。全ての都市で下落幅が他の用途に比べると小さいことがわかる。その要因としては、評価額や賃料の変動の少ない郊外型商業を多く含むことが考えられる。
住宅では、金融危機前の上昇期にもサンフランシスコは累積リターンが最も高位で推移したが、金融危機後はさらにそれを大幅に上回るものになっている。ワシントンDCも2010年まではサンフランシスコに追随していたが、その後は回復が緩慢なものになっている。
物流では、金融危機前は、マイアミの累積が最も大きく、次いでロサンゼルス、サンフランシスコであった。金融危機後の回復を経て2014年からはサンフランシスコが急上昇している。ヒューストンは、オフィス同様に金融危機後の下落幅が小さいが、直近の15年末までの数値は上昇が続いており、オフィスに見られた原油価格下落による景気低迷を要因としたピークアウトは物流のリターン数値にはまだ見られない。
商業施設では、マイアミが他都市に比べ回復が顕著で、ダラス、アトランタはやや回復ペースが緩やかなものとなっているが、全般に大きな差になっていない。全ての都市で下落幅が他の用途に比べると小さいことがわかる。その要因としては、評価額や賃料の変動の少ない郊外型商業を多く含むことが考えられる。
住宅では、金融危機前の上昇期にもサンフランシスコは累積リターンが最も高位で推移したが、金融危機後はさらにそれを大幅に上回るものになっている。ワシントンDCも2010年まではサンフランシスコに追随していたが、その後は回復が緩慢なものになっている。
物流では、金融危機前は、マイアミの累積が最も大きく、次いでロサンゼルス、サンフランシスコであった。金融危機後の回復を経て2014年からはサンフランシスコが急上昇している。ヒューストンは、オフィス同様に金融危機後の下落幅が小さいが、直近の15年末までの数値は上昇が続いており、オフィスに見られた原油価格下落による景気低迷を要因としたピークアウトは物流のリターン数値にはまだ見られない。
(2016年02月29日「基礎研レポート」)
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