- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 米国経済 >
- 原油価格下落と米国経済-価格下落は米マクロ経済にはプラスも、資本市場の不安定化に注目
2016年01月22日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 原油相場は、WTI先物価格が一時03年以来となる26ドル台をつけるなど、16年に入って価格下落が加速している。その要因は中国の景気減速に伴う需要減のほか、米国の暖冬による暖房需要の減少、イランに対する経済制裁解除に伴う供給増加観測などである。
- 当研究所は、原油価格は足元の動きは行き過ぎと判断しており、中期的な需給改善から16年末で40ドル台前半に上昇すると予想している。
- 原油価格の下落は純輸入国である米国にとって輸出国からの所得移転を通じてマクロ経済全体ではプラスとなる。実際、価格下落に伴う所得効果に加え、ガソリン安によるSUV需要を背景に自動車販売が好調となるなど、消費にはプラスの効果がみられる。
- 一方、資源関連企業の設備投資削減による設備投資への影響などのマイナス面もある。
- さらに、原油価格下落はこれら企業の株価や社債価格を下落させるため、株式市場、社債市場への影響が懸念される。実際、米株式市場や高金利社債市場では原油価格の下落と連動性が高まっている。
- このように原油価格下落は、マクロ経済全体では依然としてプラスの効果が期待できるものの、資本市場へはマイナスの影響がみられる。資本市場の不安定化が長期化する場合には実体経済に影響するため、今後の動向が注目される。
(2016年01月22日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1824
経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/21 | 米FOMC(25年3月)-市場予想通り、政策金利を2会合連続で据え置き。4月から量的引締めのペースを緩和 | 窪谷 浩 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/19 | 米住宅着工・許可件数(25年2月)-着工件数(前月比)は悪天候から回復し、前月から大幅増加、市場予想も上回る | 窪谷 浩 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/10 | 米国経済の見通し-25年初から関税政策をはじめ、経済政策は混沌の極み。景気後退回避を予想もリスクは上昇 | 窪谷 浩 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/10 | 米雇用統計(25年2月)-非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったほか、失業率は横這い予想に反して上昇 | 窪谷 浩 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年03月21日
東南アジア経済の見通し~景気は堅調維持、米通商政策が下振れリスクに -
2025年03月21日
勤務間インターバル制度は日本に定着するのか?~労働時間の適正化と「働きたい人が働ける環境」のバランスを考える~ -
2025年03月21日
医療DXの現状 -
2025年03月21日
英国雇用関連統計(25年2月)-給与(中央値)伸び率は5.0%まで低下 -
2025年03月21日
宇宙天気現象に関するリスク-太陽フレアなどのピークに入っている今日この頃
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【原油価格下落と米国経済-価格下落は米マクロ経済にはプラスも、資本市場の不安定化に注目】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
原油価格下落と米国経済-価格下落は米マクロ経済にはプラスも、資本市場の不安定化に注目のレポート Topへ