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- 2015~2017年度経済見通し(15年11月)
2015年11月17日
(物価の見通し)
消費者物価(生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は2013年4月以降、前年比で上昇を続けてきたが、原油価格下落に伴うエネルギー価格の低下を主因として2015年8月には前年比▲0.1%と2年4ヵ月ぶりのマイナスとなった(9月も同▲0.1%)。一方、物価上昇がある程度継続してきたこともあり、かつてに比べ企業の値上げに対する抵抗感は小さくなっている。実際、食料、日用品、サービスなど幅広い品目で値上げが行われており、消費者物価指数の調査対象品目を、前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、上昇品目数の割合が7割近くなっている。コアCPI上昇率がマイナスとなる中で、物価上昇の裾野はむしろ広がっている。
また、原油価格下落の効果もあって先行きは潜在成長率を上回る成長が続くため、需給面からの物価押し上げ圧力も徐々に高まっていくことが見込まれる。当研究所が推計した需給ギャップは消費税率引き上げ直前の2014年1-3月期に0.3%(GDP比)と小幅なプラスに転じた後、消費税率引き上げ後は成長率の落ち込みによってマイナス圏で推移している。先行きについては景気の持ち直しに伴い需給バランスの改善傾向が続き、2016年度末にかけては消費税率引き上げ前の駆け込み需要によって成長率が押し上げられることもあり、需給ギャップは再びプラス圏に浮上すると予想している。
コアCPI上昇率は2015年末までには再びプラスとなり、原油価格下落の影響一巡と駆け込み需要に伴う高成長が重なる2016年度後半には1%台まで伸びを高めるだろう。ただし、2017年度入り後は消費税率引き上げに伴う景気減速によって需給面からの物価上昇圧力が弱まるため、コアCPI上昇率は2%に達する前に鈍化し始めるだろう。
コアCPI上昇率は2015年度が前年比0.1%、2016年度が同1.0%、2017年度が0.8%(消費税率引き上げの影響を除く)と予想する。
(12/8に予定されている2015年7-9月期2次QEの発表を受けた経済見通しの修正は12/8、欧米経済見通しの詳細は12/9発行のWeeklyエコノミスト・レターに掲載予定です)
消費者物価(生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は2013年4月以降、前年比で上昇を続けてきたが、原油価格下落に伴うエネルギー価格の低下を主因として2015年8月には前年比▲0.1%と2年4ヵ月ぶりのマイナスとなった(9月も同▲0.1%)。一方、物価上昇がある程度継続してきたこともあり、かつてに比べ企業の値上げに対する抵抗感は小さくなっている。実際、食料、日用品、サービスなど幅広い品目で値上げが行われており、消費者物価指数の調査対象品目を、前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、上昇品目数の割合が7割近くなっている。コアCPI上昇率がマイナスとなる中で、物価上昇の裾野はむしろ広がっている。
また、原油価格下落の効果もあって先行きは潜在成長率を上回る成長が続くため、需給面からの物価押し上げ圧力も徐々に高まっていくことが見込まれる。当研究所が推計した需給ギャップは消費税率引き上げ直前の2014年1-3月期に0.3%(GDP比)と小幅なプラスに転じた後、消費税率引き上げ後は成長率の落ち込みによってマイナス圏で推移している。先行きについては景気の持ち直しに伴い需給バランスの改善傾向が続き、2016年度末にかけては消費税率引き上げ前の駆け込み需要によって成長率が押し上げられることもあり、需給ギャップは再びプラス圏に浮上すると予想している。
コアCPI上昇率は2015年末までには再びプラスとなり、原油価格下落の影響一巡と駆け込み需要に伴う高成長が重なる2016年度後半には1%台まで伸びを高めるだろう。ただし、2017年度入り後は消費税率引き上げに伴う景気減速によって需給面からの物価上昇圧力が弱まるため、コアCPI上昇率は2%に達する前に鈍化し始めるだろう。
コアCPI上昇率は2015年度が前年比0.1%、2016年度が同1.0%、2017年度が0.8%(消費税率引き上げの影響を除く)と予想する。
(12/8に予定されている2015年7-9月期2次QEの発表を受けた経済見通しの修正は12/8、欧米経済見通しの詳細は12/9発行のWeeklyエコノミスト・レターに掲載予定です)
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
(2015年11月17日「Weekly エコノミスト・レター」)
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