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受給権保護の実効性を高めるには利害関係者の意識が重要-加入者等への積極的な情報開示が受給権保護には欠かせない

金融研究部 企業年金調査室長 年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室・サステナビリティ投資推進室兼任 梅内 俊樹
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■要旨
確定給付企業年金(以下、DB制度)は、積立基準・受託者責任・情報開示など、受給権を保護する基準が明確化された企業年金制度である。しかしながら、受給権が完全に保護されるかと言えば、決してそうではない。DB制度は、予め定められた給付算定式によって将来の給付額が決まる制度であるが、一定の要件を満たせば、給付額を減額することが認められているためである。一方で、DB制度は私的年金の一つであり、企業が自由な意思のもとで任意に実施する制度でもある。このため、DB制度の健全かつ適切な運営を確保する規制については、最低限のルールに留めざるを得ないという面がある。
従って、受給権保護の実効性を高めるガバナンス体制を強化するには、自主的な取り組みが重要となる。中でも、DB制度運営の透明性向上に繋がる情報開示の徹底が重要である。運営主体が、DB制度の運営状況についての加入者等の理解を促し、加入者等もDB制度の運営状況を正しく理解する姿勢を持つことで、DB制度運営の透明性を確保することが欠かせない。受給権保護の実効性を高めるには、利害関係者それぞれの高い意識が求められると言える。
(2015年10月27日「基礎研レター」)

03-3512-1849
- 【職歴】
1988年 日本生命保険相互会社入社
1995年 ニッセイアセットマネジメント(旧ニッセイ投信)出向
2005年 一橋大学国際企業戦略研究科修了
2009年 ニッセイ基礎研究所
2011年 年金総合リサーチセンター 兼務
2013年7月より現職
2018年 ジェロントロジー推進室 兼務
2021年 ESG推進室 兼務
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