- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 巻き起こる格差議論~ピケティ「21 世紀の資本」の意味~
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
フランスの経済学者トマ・ピケティが出版した「21世紀の資本」が注目を集めている。この本の指摘で格差問題に気がついたというよりは、人々が感じていた格差拡大のメカニズムについての仮説を提示したことが注目を浴びた原因ではないか。ただし、保有資産の格差が所得の格差を生み、それがさらに資産の格差を拡大させるという格差拡大のメカニズムは、アメリカや日本については必ずしも主要因とは言えないと考える。
ピケティが提起したより重要な問題は、これまでの経済学の思想では、現実の経済にある様々な欠陥を取り除いて行けば社会は平等になると考えていたが、むしろ不平等が拡大するのを加速するかも知れないという点ではないか。所得格差のない社会が理想的とは思えないが、著しい格差は社会を不安定にするおそれがあり、格差の固定が閉塞感を生むことは否めない。格差の議論は今後も人々の注目を集めるだろう。
(2015年07月03日「ニッセイ基礎研所報」)
このレポートの関連カテゴリ
櫨(はじ) 浩一 (はじ こういち)
櫨(はじ) 浩一のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2020/03/06 | 不安の時代ー過剰な貯蓄を回避する保険の意義 | 櫨(はじ) 浩一 | 基礎研マンスリー |
2020/02/27 | MMTを考える | 櫨(はじ) 浩一 | 基礎研レポート |
2020/02/07 | 令和の日本経済はどうなるか-経済予測の限界と意義 | 櫨(はじ) 浩一 | 基礎研マンスリー |
2020/01/31 | 不安の時代~過剰な貯蓄を回避する保険の意義~ | 櫨(はじ) 浩一 | エコノミストの眼 |
新着記事
-
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い -
2025年05月01日
米GDP(25年1-3月期)-前期比年率▲0.3%と22年1-3月期以来のマイナス、市場予想も下回る -
2025年05月01日
ユーロ圏GDP(2025年1-3月期)-前期比0.4%に加速 -
2025年04月30日
2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【巻き起こる格差議論~ピケティ「21 世紀の資本」の意味~】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
巻き起こる格差議論~ピケティ「21 世紀の資本」の意味~のレポート Topへ