- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 中国経済 >
- 中国経済:4-6月期成長率(予想)~工業部門の不振を背景に6.8%へ鈍化
- 中国経済を供給面から見ると、4-5月期の工業生産は第1四半期(1-3月期)の伸びを大幅に下回っている。但し、足元では工業生産や製造業PMIが上向くなど底打ちの兆しもでてきている。一方、非製造業は商務活動指数が低下するなど足元で陰りが見られる。しかし、予想指数が上向くなど将来に対する期待感は依然として高い。
- 他方、中国経済を需要面から見ると、個人消費・投資・輸出の3本柱が揃って第1四半期よりも大幅に低い伸びに留まっている。しかし、足元では5月の個人消費・投資に関する景気指標が上向くなど、国内の需要を中心に底打ちの兆しが見られる。
- その他の重要な4指標(電力消費量、貨物輸送量、生産者物価、通貨供給量)を見ると、モノの値動きを示す生産者物価は上向いてきたものの、経済活動をする上で欠かせない動力源である電力消費量の動き、モノの移動量を示す貨物輸送量(道路)の動き、おカネの動きを示す通貨供給量(M2)の動きはいずれも下向きで、景気減速を示す指標の方が多い。
- 以上の景気10指標を総合的に見た景気評価点(3ヵ月前比で上向きなら1点、下向きなら0点として集計したもの)は、第2四半期に入ると4月は4点、5月は3点と第1四半期より1段階上の“やや減速”に回復、景気失速懸念はやや薄れた。但し、まだ“横ばい”よりも下に位置する減速基調で、景気は下向きのままである(下左図)。
- 中国では7月15日(水)に第2四半期(4-6月期)の実質GDP成長率が公表される。第1四半期は前年同期比7.0%増と前四半期から0.3ポイント低下したが、今回はさらに0.2ポイント低下して同6.8%増と予想している。内訳は工業部門が0.4ポイント低下の前年同期比5.7%増、第3次産業は0.1ポイント上昇の同8.0%増と予想している(下右図)。
このレポートの関連カテゴリ
三尾 幸吉郎
研究・専門分野
(2015年06月26日「Weekly エコノミスト・レター」)
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月19日
しぶといドル高圧力、一体いつまで続くのか?~マーケット・カルテ5月号 -
2024年04月19日
年金将来見通しの経済前提は、内閣府3シナリオにゼロ成長を追加-2024年夏に公表される将来見通しへの影響 -
2024年04月19日
パワーカップル世帯の動向-2023年で40万世帯、10年で2倍へ増加、子育て世帯が6割 -
2024年04月19日
消費者物価(全国24年3月)-コアCPIは24年度半ばまで2%台後半の伸びが続く見通し -
2024年04月19日
ふるさと納税のデフォルト使途-ふるさと納税の使途は誰が選択しているのか?
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【中国経済:4-6月期成長率(予想)~工業部門の不振を背景に6.8%へ鈍化】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
中国経済:4-6月期成長率(予想)~工業部門の不振を背景に6.8%へ鈍化のレポート Topへ