- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- 【アジア新興経済レビュー】底堅いASEAN4と投資伸び悩むインド
2015年03月02日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- (実体経済)
2月はマレーシア・タイ・インドネシア・インドで10-12月期のGDPが公表された。実質GDP成長率はASEAN3カ国が改善し、インドが悪化するなど景気に温度差が見られた。ASEAN4(1月発表のフィリピン含む)は世界経済が伸び悩むなかでも内需を中心とした底堅さが見られたが、インドは高金利による投資の鈍化が鮮明となった。 - (インフレ率)
1月の消費者物価上昇率(前年同月比)は、原油安を背景に低下傾向が続いており、インドネシア・インドを除く国・地域で3ヵ月平均・6ヵ月平均を下回った。インドネシアは、ガソリン向け補助金の撤廃と原油価格下落によるガソリン価格の値下げを受けて、前年同月比7.0%と前月の同8.4%から低下した。 - (金融政策)
2月は、韓国・インドネシア・フィリピン・インドで金融政策決定会合が開かれ、インドネシアでは政策金利を引き下げ、その他の会合では政策金利は据え置かれた。インドネシアは今回の0.25%の利下げによって、昨年11月の燃料補助金削減を受けた引き締め分(政策金利+0.25%)を解消した。 - (2月の注目ニュース)
マレーシアでは、27日に国営石油会社ペトロナスが決算発表を行った。同社を中心とした先行きの投資抑制による国内経済への悪影響が懸念される内容だった。インドでは、10日にデリー首都圏の議会選挙が開票された。昨年の州議会選挙で躍進した国政与党・インド人民党が敗北し、今後の州議会選挙への注目度は一層高まった。また、28日にインド政府が2015年度予算案を発表した。インフラ予算を拡充し、来年度以降の財政目標を先送りにするなど財政再建から経済成長へと重心をややシフトした。 - (3月の主要指標)
3月は、韓国・台湾・マレーシア・タイ・インドネシア・フィリピンで金融政策決定会合が開催される。足元では原油価格の下落が一服しており、2月にも会合を開いた韓国・インドネシア・フィリピンでは政策を見直す可能性は薄いだろうが、CPI上昇率がマイナスの台湾・タイ、1%台のマレーシアでは政策金利を据え置いて低インフレによる実質所得増加を通じた消費拡大と、利下げによる投資拡大のどちらを優先するのか。中央銀行の対応には注目が集まる。
(2015年03月02日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/21 | 東南アジア経済の見通し~景気は堅調維持、米通商政策が下振れリスクに | 斉藤 誠 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/13 | インド消費者物価(25年2月)~2月のCPI上昇率は半年ぶりの4%割れ | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/06 | インド経済の見通し~農村部の回復と所得減税により民間消費が景気をけん引、当面は+6%台後半の成長持続 | 斉藤 誠 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/02/17 | タイ経済:24年10-12月期の成長率は前年同期比3.2%増~純輸出と政府支出が拡大、2期連続で+3%台の成長に | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年03月21日
東南アジア経済の見通し~景気は堅調維持、米通商政策が下振れリスクに -
2025年03月21日
勤務間インターバル制度は日本に定着するのか?~労働時間の適正化と「働きたい人が働ける環境」のバランスを考える~ -
2025年03月21日
医療DXの現状 -
2025年03月21日
英国雇用関連統計(25年2月)-給与(中央値)伸び率は5.0%まで低下 -
2025年03月21日
宇宙天気現象に関するリスク-太陽フレアなどのピークに入っている今日この頃
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【【アジア新興経済レビュー】底堅いASEAN4と投資伸び悩むインド】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
【アジア新興経済レビュー】底堅いASEAN4と投資伸び悩むインドのレポート Topへ