- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- >
- 証券市場 >
- 消費税率引上げ先送りにより日本国債格下げはあるか?~市場が注視する日本のデフォルト時期
コラム
2014年11月25日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
安倍首相は2014年11月18日、2015年10月に予定していた消費税率10%への引き上げを1年半先送りすることを表明した。この見送りに伴い、財政の悪化が懸念され、11月19日の日本経済新聞朝刊に、“日本国債格付け年内に再点検(フィッチ)”との見出しが載った。そこには、米格付機関のFitch(フィッチ・レーティング)が、消費税率引上げ先送りは「重大な事態の進展だ」と指摘しているとある。格付機関は国家の財政健全度合いを総合的に判断し、国債の格付けを行っている1。そのため、今回の増税先送りがこれまでの判断を修正するに十分なマイナス要因となる可能性を示唆していることに他ならない。1つの格付機関の一挙手一投足に気を配る必要はないが、大手格付機関が一斉に格下げに動けば、市場をかく乱するきっかけとなる。そこで、今後日本国債の格下げがおこりうるのか、現状の格付けを近隣諸国(地域)と比較した上、11月18日時点のCDS市場動向を踏まえて、検討する。
大手格付機関の動向
CDS市場の動向
今回の先送りで得た猶予期間内に、(1)日本は経済成長を実現しかつ、行政改革による歳出削減が断行できるか、(2)また日銀は出口戦略をうまく行使できるか、この2点に対し、市場が懐疑的に注視している表れなのかもしれない。
1 一般的には、社債の格付けが主たる業務である。
2 図表はすべて、Bloombergより著者にて作成。
3 ここで意味するデフォルトとは、支払い不履行、リストラクチャリング、履行拒絶・支払猶予の3つである。
4 スプライン補間を施している。
5 回収率35%を仮定している。
1 一般的には、社債の格付けが主たる業務である。
2 図表はすべて、Bloombergより著者にて作成。
3 ここで意味するデフォルトとは、支払い不履行、リストラクチャリング、履行拒絶・支払猶予の3つである。
4 スプライン補間を施している。
5 回収率35%を仮定している。
(2014年11月25日「研究員の眼」)
このレポートの関連カテゴリ
大山 篤之
大山 篤之のレポート
| 日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
|---|---|---|---|
| 2015/07/03 | 私立大学のスリム化はなにをもたらすか | 大山 篤之 | ニッセイ基礎研所報 |
| 2015/05/21 | FRB利上げ時期予想で注目される「影の金利」~異次元緩和下の日本の「影の金利」を推計してみた | 大山 篤之 | 研究員の眼 |
| 2015/04/28 | 大学経営統合事業戦略モデル | 大山 篤之 | 基礎研レポート |
| 2014/11/25 | 消費税率引上げ先送りにより日本国債格下げはあるか?~市場が注視する日本のデフォルト時期 | 大山 篤之 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年11月05日
インドネシアGDP(25年7-9月期)~5.04%と底堅い成長を維持 -
2025年11月05日
完璧な成果より「誠実な経過」を-ブランド透明性が生みだす信頼とサステナビリティ開示のあり方(2) -
2025年11月05日
新たな局面に入るロシア制裁・ウクライナ支援 -
2025年11月05日
子どもにもっと「芸術の秋」を~より多くの子どもに機会を提供するには、企業による貢献も欠かせない。ニッセイ名作シリーズは今年で62年~ -
2025年11月04日
数字の「26」に関わる各種の話題-26という数字で思い浮かべる例は少ないと思われるが-
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【消費税率引上げ先送りにより日本国債格下げはあるか?~市場が注視する日本のデフォルト時期】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
消費税率引上げ先送りにより日本国債格下げはあるか?~市場が注視する日本のデフォルト時期のレポート Topへ














