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金融市場の動き(10月号)~円安第3波、過去2回との違いは?
経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志
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- (為替) 8月中旬以降、急速な円安ドル高が進行し、一時110円を突破した。安倍政権発足期待を発端に円高が終焉して以降、今回は3回目の大きな円安局面(第3波)にあたる。今回は、第1波(12年11月~13年5月)や2波(13年10月~12月)でみられたような米長期金利の上昇トレンドが見られない一方で、米2年債利回りの上昇が顕著になっている。従来、政策金利の先行きを強く織り込む同利回りが利上げをテーマに上昇し、ドル高が促されたと考えられる。また、指標では確認できないが、GPIFの運用改革への期待や日銀の追加緩和観測が再び燻り始めたことも円安に影響しているとみられる。ただし、これらの国内要因は、第1波でのアベノミクスに伴う期待インフレ率上昇や第2波での貿易赤字拡大に比べてインパクトが乏しい。また、今後しばらくは第1波でみられたような期待インフレ率の大幅上昇や第2波で見られたような貿易赤字拡大は見込めない。従って、当面は米側の要因、すなわち利上げ観測の動向が最大の焦点となる。今後利上げが近づくにつれて米2年債金利が上昇することでドル高圧力が強まるが、今後もその時期やペースを巡って市場の観測が揺れ動き、ドル円レートを支配することになりそうだ。利上げ観測を反映しやすい米2年債利回りの動向に注目だ。
- (日銀金融政策) 日銀は9月の金融政策決定会合で現行の政策維持を決定した。黒田総裁は最近の景気下振れを認めたものの、これまで通り強気のスタンスを維持している。
- (金融市場の動き) 9月はドルが急激に上昇、長期金利はやや上昇した。ドル高は足元やや調整したが、引き続き円安ドル高トレンドは変わらないと予想。ユーロドルはECBによる本格的な量的緩和観測が消えそうに無く、当面、現状付近での低迷を予想。
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