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人口1億人目標と地方経済~地方は千差万別ながらも集積、独自性の共通課題も
総合政策研究部 研究理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次
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<要旨>
1―人口減少問題の解決には地方経済の再生が不可欠
出生率を上げるためのマクロベースの取り組みとともに、都市部よりも出生率の高い地方部の経済を再生、安定した雇用を生み出し、一極集中を是正しなくては「50年後(2060年代)に人口1億人程度を維持する」といった目標の達成などありえない。将来の人口減少に歯止めをかけるためにも地方経済の再生はまったなしの政策課題になっている。
2―地方復活に向けて、集積・転換や再編・統廃合を
現在各地でコンパクトシティーへの取り組みが行われているが、うまくいっている例はほとんどない。だからこそ、行政の広域化・過疎の中でサービス提供は不可能になるという危機感を持って、都市・町の集積化を実現する取り組みを加速させなければならない。さらに、アベノミクスで地方経済に少し明るさがでている今だからこそ、廃業支援や低収益企業体の積極的な再編・統廃合をさらに強力に進め、稼げる企業群を組成していかなければならない。
3―創意工夫なくして再生なし
地方再生には安定した「雇用」を確保できる新たな産業を作り上げなければならない。地方の主要な産業は農業・水産・林業などの地場産業である。今ある農業と観光、それらに付随したサービス業が大きな再生のパーツとなる。これらを活かし安定した雇用を生み出す工夫が必要だ。
4―地方経済の再生へ早急の対応が必要
アベノミクスが徐々に地方に広がりつつあるとはいえ、大半の地方部では人口が流出し、都市部との経済格差が拡大している。地方消滅の危機が将来世代の問題に留まらず、現役世代にまで及んでおり、残された時間は少ない。人口減少・少子高齢化の中でも若者の負担をできるだけ押さえ込むような大胆な集積・効率化は避けては通れないこと、地方の特色を活かした独自性のある新たな産業を築き雇用を確保することなどは共通の課題であり早急の対応が必要である。
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