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消費者物価(全国14年7月)~年末にかけては景気下振れが物価の下押し要因へ
経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎
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■見出し
・コアCPI上昇率は前月と変わらず
・年末にかけては景気下振れが物価の下押し要因に
■要旨
総務省が8月29日に公表した消費者物価指数によると、14年7月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比3.3%(6月:同3.3%)となり、上昇率は前月と変わらなかった。コアCPIを消費税の影響を除くベースでみると、4月は消費税率引き上げ分以上の値上げが行われたことから3月の前年比1.3%から同1.5%へと拡大したが、5月が同1.4%、6月が同1.3%、7月が同1.3%と伸び率は頭打ちとなっている。
コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが0.56%(6月:同0.63%)、食料(生鮮食品を除く)が0.32%(6月:同0.28%)、その他が0.42%(6月:同0.40%)であった(当研究所試算による消費税の影響を除くベース)。
4月の消費税率引き上げ時にはそれに上乗せする形で一斉に価格改定をする動きが見られたが、その後は値上げ品目と値下げ品目が混在する形で全体としては伸び率が頭打ちとなっている。
ここにきて円安が進んでいるものの、13年初から14年初にかけて10~20%台で推移していたドル円レートの前年比は足もとでは一桁の伸びとなっており、現状程度のレートが続けば先行きも同程度の伸びが続くことになる。原油、LNG価格が下落基調となっていることもあり、エネルギー価格の前年比上昇率は5月の前年比10.1%をピークに年末にかけて6%程度の伸びとなり、コアCPI上昇率を0.3ポイント程度押し下げることが見込まれる。
また、現時点では消費者物価は日銀の想定通りの動きとなっているが、本日発表された鉱工業生産、家計調査などの結果が示すとおり、景気は明らかに日銀の想定よりも下振れている。円安効果の一巡に加え、需給バランス悪化による物価への影響が顕在化することにより、コアCPIの伸びは徐々に鈍化し年末にかけては2%台後半(消費税の影響を除くと1%割れ)になると予想する。
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