- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 日銀短観(12月調査)~大企業製造業の景況感は4改善の16、先行きは14へ
2013年12月16日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 大企業製造業の業況判断D.I.は16と前回9月調査比で4ポイント上昇し、4四半期連続となる景況感改善が示された。D.I.の水準は2007年12月以来6年ぶりの高水準。また、大企業非製造業のD.I.も引き続き改善した。前回調査以降、高水準の公共工事や住宅投資、一部駆け込み需要等を背景とした底堅い消費といった内需がけん引役となる形で全体として景気回復基調を維持しているほか、円安に振れていることが輸出採算にとって追い風となった。中小企業も製造業、非製造業ともに改善し、景況感の改善が波及してきている。一方、先行きは企業規模や製造・非製造業を問わず弱含んだ。国内ではぎりぎりまで駆け込み需要が期待される小売業以外では反動減への警戒感が先んじて現れた可能性がある。また、海外経済の先行きについて不透明感が残る点も影響しているとみられる。
- 13年度設備投資計画(全規模全産業)は12年度比4.5%増と前回(3.3%増)から上方修正された。ただし、例年12月調査では計画が固まってくることに伴って上方修正される傾向が強い点を踏まえると、本格回復とは言えないレベル。先送りとみられる動きも続いている。アベノミクス開始から約一年が経過し、内需の回復や円安の定着といった国内生産への追い風は吹くものの、国内生産の水準が未だに十分回復していないことなどを受けて、企業の国内投資に対する慎重姿勢が引き続き垣間見える結果と言えるだろう。
(2013年12月16日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/06/19 | 緊迫化する中東情勢、ドル円への影響は?~マーケット・カルテ7月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/06/18 | 日銀短観(6月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは4ポイント低下の8と予想、設備投資計画も抑制的に | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/06/10 | 貸出・マネタリー統計(25年5月)~都銀と地銀で貸出の勢いに開き、新規貸出金利が大きく上昇 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/06 | 止まらない「現金離れ」~「現金」の未来を考える | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年06月24日
今週のレポート・コラムまとめ【6/17-6/23発行分】 -
2025年06月23日
東南アジア経済の見通し~政策対応で内需は底堅いが、外需は不透明感増し、景気減速へ -
2025年06月23日
内国歳入法899条項(案)-TACOで終わらなければ、日本にも影響か? -
2025年06月23日
インフレ時代にオフィス市場で普及が進むと期待されるCPI連動条項 -
2025年06月23日
マスク着用のコミュニケーションへの影響(1)-コロナ禍の研究を経て分かっていること/いないこと
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
【日銀短観(12月調査)~大企業製造業の景況感は4改善の16、先行きは14へ】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
日銀短観(12月調査)~大企業製造業の景況感は4改善の16、先行きは14へのレポート Topへ