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- 【インドGDP】成長は改善したが、内需低迷は深刻
1.改善したものの、5%割れの低水準が続く
インド中央統計機構(CSO)は11月29日に2013年7-9月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率(供給側)は前年同期比4.8%の増加であり、前期(同+4.4%)から加速したものの、4四半期連続での5%割れとなった。
2.最悪期は脱したが、しかし今後も試練は続く
7-9月期のインドの成長率は、4.8%となり4四半期連続で5%を下回る結果だったものの、改善傾向を示しており、最悪期は脱した可能性が高い。
特に、7-9月期は純輸出の改善が顕著であった。政府が輸入抑制のために金などの輸入関税を引き上げたことが奏功しており、また輸出の伸びが顕著だった。最大の懸念であったルピー安についても、貿易赤字が改善しており、9月に中央銀行総裁に就任したラジャン氏が2カ月連続で利上げを実施するなど、インフレ抑制の姿勢を強く示したことで、9月に入ってから下げ止まっている。
しかし、肝心の内需については冴えない状況が続いている。特に成長低迷の主因とも言える高インフレが改善していない。中央銀行にはさらなる利上げが求められている状況である。工業生産も冴えない。中間財や資本財の回復は弱く、耐久消費財については足もとで減少している。加えて、投資についても来年5月までに総選挙が実施される予定であり、今後の政策方針の不透明さから、積極的に実施しにくい地合いが続く。また、今後についても、米国の量的緩和縮小が段階的に開始された際に、通貨の急落が引き起こされるなどのリスクが依然として存在している。
こうした状況を踏まえれば、一部の経済環境が好転しており、これまでのところ、政策運営は上手くいっていると評価できるものの、まだ苦境を乗り越えたというには早すぎると言えるだろう。
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