- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- 【マレーシアGDP】5%回復、財政健全化の姿勢も好感
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.現状:5%台まで改善
マレーシア統計庁(DOSM)は11月15日に2013年7-9月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率は前年同期比(原系列)で5.0%の増加となり、前期の前年同期比+4.4%より加速、5%台まで改善した。また、前期比(季節調整済)も1.7%増と前期(同+1.4%)から改善している。
2.今後は政策実行力が重要に
今回のGDP統計では、マレーシア経済は内需、なかでも民間部門が好調であることが明らかになった。7-9月期は外需も改善してきたことで、成長率が大きく押し上げられている。ただし、短期的には成長が鈍化する懸念もある。
輸出については新興国を含めて世界経済の回復ペースが緩慢であることを考えれば、今後も現在のペースで輸出や生産の改善が続くかは疑問が残る。また、内需に関しても、9月には燃料への補助金削減、10月には砂糖への補助金削減が実施され、先行きの消費が伸び悩む可能性がある。
一方で、財政健全化の観点から見れば、補助金削減は歓迎される政策である。10月には2015年の消費税(物品・サービス税:GST)導入も発表されており、これらは海外投資家からの魅力を高め、長期的に見れば成長を押し上げる要因となる。
したがって、短期的には成長が鈍化する懸念は残るものの、長期的に見れば好ましい政策が打ち出されていると評価できる。ただし、ナジブ首相の求心力や政策実行力が低下している可能性があり、今後はこれらの政策の進捗が注目と言えるだろう。
(2013年11月18日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/06/12 | ロシアの物価状況(25年5月)-インフレ圧力の軽減傾向が継続 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/12 | 欧州経済見通し-回復基調だが、関税を巡る不確実性は大きい | 高山 武士 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/06/11 | 英国雇用関連統計(25年5月)-給与所得者数が大幅減少 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/06 | ECB政策理事会-2%目標を概ね達成、金利水準は「良い位置」 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年06月16日
マスク着用のメンタルヘルスへの影響(1)-コロナ禍の研究を経て分かっていること/いないこと -
2025年06月13日
DeepSeekに見るAIの未来-近年のAI進化の背景とは -
2025年06月13日
年齢制限をすり抜ける小学生たち-α世代のSNS利用のリアル -
2025年06月13日
インド消費者物価(25年5月)~5月のCPI上昇率は+2.8%、食品価格の低下が続いて6年ぶりの低水準に -
2025年06月13日
欧州保険会社が2024年のSFCR(ソルベンシー財務状況報告書)を公表(2)-SCRの算出(内部モデルの使用状況と分散効果の状況等)-
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
【【マレーシアGDP】5%回復、財政健全化の姿勢も好感】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
【マレーシアGDP】5%回復、財政健全化の姿勢も好感のレポート Topへ