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- 【フィリピンGDP】またも7%超、好調が続く稀有な国
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1.現状:7%超の高成長を維持
フィリピンの国家統計調整委員会(NSCB)は8月29日、2013年4-6月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率は前年同期比(原系列)で7.5%の増加となり、前期(同+7.7%)とほぼ同じ、7%を超える高成長を維持した。また、前期比(季節調整済)では+1.4%(前期:同+2.3%)と前期からやや減速している。
2.今後:高成長が見込める稀有な市場
2013年4-6月期の成長率は7.5%となり、4四半期連続で7%を超える成長を達成したことになる。資金引き揚げの悪影響に見舞われる新興国が多いなか、好調さが際立っている。
1-3月期時点ではペソ高や投資の減速がリスク要因として懸念されていたが、4-6月期はこれらを克服、高成長を維持したと言える。
ただし、懸念材料が無いとはいえない。新興国からの資金流出の動きはペソ安をもたらしたが、同時に株価も下落している。この資金流出の動きが広がり、直接投資の資金流入が鈍れば投資の加速は見込みにくくなる。
外需に目をむければ、海外経済の回復が鈍く、ペソ安が進んでいるにもかかわらず、輸出の伸び悩みが続いていることも成長の下押し材料になるだろう。また、成長率は高いが、現在は民間活動である個人消費や投資が減速傾向にあり、政府支出で支えている。高い成長を持続させるには、民間活動の活性化は欠かせないため、こうした状態には注意が必要だろう。
こうした懸念材料があるものの、フィリピンは内需の強さから底堅い成長が見込める稀有な市場である。今後、周辺新興国でも成長率の低迷が見込まれるなか、これらの懸念をどれだけ払拭し、高成長を続けるのか注目と言える。
(2013年08月30日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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