2013年06月03日

【アジア新興経済レビュー】景気の下押し圧力が強くなっている

経済研究部 主任研究員 高山 武士

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  1. 5月のアジア新興国・経済の各種指標では、生産や輸出で伸び悩みが続いていることが確認された。ASEAN主要国やインドではGDP統計も公表され、フィリピンを除き、景気への下押し圧力が強まっていることが確認された。
  2. こうした状況の中、インフレ率が安定している国では利下げに踏み切る中央銀行が増えた。5月には韓国、タイ、インドが利下げに踏み切っている。
  3. 特にインドでは、WPIの伸び率が急激に鈍化しており、6月に追加利下げがなされるかにも注目される。中央銀行は追加利下げに対して警戒的な姿勢を見せているものの、WPI伸び率が2カ月連続で5%を下回るなど低下基調が続いていることが確認できれば、追加利下げに踏み切ると予想している。
  4. 一方でインドネシアでは物価高懸念が生じており、利上げに転じるかが注目される。
  5. その他、6月にはインドネシアで長い間、課題となっていた燃料補助金の削減(燃料価格は引き上げ)が実施される可能性が高まっている。国民の反発からなかなか改革に踏み切れなかった問題だけに、注目と言える。

(2013年06月03日「経済・金融フラッシュ」)

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経済研究部   主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

経歴
  • 【職歴】
     2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
     2009年 日本経済研究センターへ派遣
     2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
     2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
     2014年 同、米国経済担当
     2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
     2020年 ニッセイ基礎研究所
     2023年より現職

     ・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
      アドバイザー(2024年4月~)

    【加入団体等】
     ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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