- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- 【韓国GDP】まだ、力強さは見られない
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.現状:力強さの無い回復
韓国銀行(中央銀行)は4月25日、2013年1-3月期の実質国内総生産(GDP)を公表した。前期比(季節調整済)で+0.9%の増加となり、前期の2012年10-12月期(同+0.3%)から大きく加速した。ただし、前年同月比では+1.5%となり前期(同+1.5%)と同水準であった。前期比で見ると改善しており、景気は持ち直しているものの、前年同期比で見るとまだ1%半ばの成長率であり、力強さの無い回復と言えるだろう。
2.今後:格差是正への取り組みが注目される
今期のGDPを見ると、前期比では輸出が改善、投資も持ち直すなど、輸出主導国の回復シナリオを歩んでいることが分かる。ただし、肝心の輸出が本格的に改善しておらず、月次ベースの伸び率(前年同期比)はほぼゼロ付近で推移するなど、伸び悩んでいる。これが韓国の成長回復ペースを遅らせている主因と言える。
このような状況下で政府は19.3兆ウォン規模(約1.7兆円)の経済対策を発表した。この対策は朴政権の掲げる格差是正への取り組みとしては評価されるものだが、自律的な景気回復を主導するには力不足で、期待される効果としては、輸出の伸び悩みを支える程度のものだろう。したがって、韓国経済の本格的な回復は、輸出の改善を待ってからになると考えられる。
今後は、輸出が改善した後、それが内需の改善に結びつくかが重要になってくるだろう。特に、景気回復の過程で大企業と中小企業に格差が生じる可能性がある。この意味では、バランスの良い景気回復を実現できるか、朴政権の手腕が問われている局面と言える。
(2013年04月25日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/06/20 | 英国金融政策(6月MPC公表)-金利据え置きで従来の利下げペースを維持 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/19 | ロシアGDP(2025年1-3月期)-前期比成長率でマイナスに転じる | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/12 | ロシアの物価状況(25年5月)-インフレ圧力の軽減傾向が継続 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/12 | 欧州経済見通し-回復基調だが、関税を巡る不確実性は大きい | 高山 武士 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年07月01日
今週のレポート・コラムまとめ【6/24-6/30発行分】 -
2025年06月30日
食品ロス削減情報の比較可能性-何のための情報開示か? -
2025年06月30日
鉱工業生産25年5月-4-6月期は2四半期連続減産の可能性が高まる -
2025年06月30日
マスク着用の子どもへの影響-コロナ禍の研究を経て分かっていること/いないこと -
2025年06月30日
米個人所得・消費支出(25年5月)-個人所得と個人消費ともに前月比で減少、市場予想も下回る
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
【【韓国GDP】まだ、力強さは見られない】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
【韓国GDP】まだ、力強さは見られないのレポート Topへ