2013年04月19日

特定労働者派遣事業拡大のもう一つの要因-情報サービス業における派遣・請負現場からの問題提起

松浦 民恵

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派遣事業には一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業の2種類がある。一般労働者派遣事業には登録型派遣や日雇い派遣が含まれ、派遣先が決まったところで派遣会社との雇用契約が発生することから、事業認可に対してより厳しい規制が適用され、許可制となっている。一方、特定労働者派遣事業は派遣会社に常時雇用される労働者を対象とする派遣であることから、規制が比較的緩やかで、事業認可は届出制となっている。

近年、この特定労働者派遣事業が顕著に拡大してきている。特定労働者派遣事業拡大については、規制の厳しい「一般」から届出だけの「特定」へ流入しているという要因だけでなく、他業種の請負会社が、請負の適正化によって派遣事業に参入してくるという、もう一つの要因がある。なかでも、特定労働者派遣事業において、情報サービス業の請負会社の存在感が高まってきている。

本稿では、情報サービス業の企業が本業を遂行するために実施している特定労働者派遣事業に注目し、情報サービス業で多くの企業が「請負」から「特定」へと移行していった実態や、そこに内在する課題について述べる。

(2013年04月19日「基礎研レポート」)

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