2013年01月15日

12月マネー統計~ついに都銀の貸出残高が底入れ

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

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■見出し

・貸出動向 : 都銀の前年比プラスは3年2ヵ月ぶり
・マネタリーベース : 過去最高を更新
・マネーストック : 広義流動性の伸び率が高まる

■introduction

日銀が1月11日に発表した昨年12月の貸出・資金吸収動向等によると、銀行貸出(平残)の伸び率は前年比1.4%となった。1%超えは5ヵ月連続で、伸び率は09年10月以来の高水準となる。引き続き電力会社やM&A向けが牽引した模様。
業態別の内訳は、地銀(第2地銀を含む)が前年比2.5%、都銀等が同0.3%となった。地銀に遅れること1年半で、都銀等もようやくプラス化した。リーマン・ショック後の資金需要急増が一段落した後、長らくマイナスに陥ってきた都銀等の貸出残高であるが、3年2ヵ月ぶりにプラス化を果たしたことは明るい材料である(図表1~4)。
なお、東日本大震災の被災地での貸出も増勢が強まっている。福島県はまだ弱含んでいるものの、岩手県(前年比8.1%増)、宮城県(同6.7%増)はともに全国平均の伸びを大きく上回っている。復興に伴う資金需要が伸びている可能性があり、動向が注目される(図表5)。

(2013年01月15日「経済・金融フラッシュ」)

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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴
  • ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
    ・ 2007年 日本経済研究センター派遣
    ・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
    ・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

    ・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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