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今日はクリスマス。各地で人から人へ多くのプレゼントが行き交うことだろう。プレゼントは貰うのも嬉しいが、贈るのもまた楽しいものだ。それは寄付も同様で、寄付される側も嬉しいし、する側の喜びも大きい。アフリカでは5歳未満の栄養失調の子どもが6千万人いるという。タンザニアでは丸いクリスマスケーキ1個分の代金3千円で、9人の子どもの20回分の学校給食を提供できるそうだ。そんなパンフレット*を読んで、私もケーキ1個分のクリスマス募金をした。
先日、日本フィランソロピー協会の「まちかどのフィランソロピスト賞」の贈呈式があった。長年にわたり地道に寄付を続け、日本の寄付文化醸成に貢献してきた人々を顕彰するものだ。今年の特別賞に厚生労働省局長の村木厚子さんが選ばれた。村木さんは2009年に障がい者郵便制度悪用事件で不当逮捕・起訴され、約半年の拘置所生活を経て、無罪判決を受けた。村木さんは国からの賠償金の大半を社会福祉法人に寄付し、「共生社会を創る愛の基金」を創設した。罪に問われた障がい者が適正な取り調べや裁判を受ける権利を守り、社会復帰の支援に役立てることにしたのだ。
村木さんは受賞者挨拶の中で次のような話をした。職場に復帰した後、東日本大震災の被災地の避難所を訪ねた時、被災者の方々を励まそうと思っていたら、逆にあちこちから『村木さん、頑張って!』と声をかけられたという。村木さんは被災者の方から大きな力をもらったと同時に、被災者の人たちにも力を与える事が出来たのではないかと思うと話した。
人は『頑張って!頑張って!』と応援されてばかりだと疲れてしまう。逆に、困ったり苦しんだりしている人を応援することで元気を取り戻す場合もある。多分、本当に辛い思いをした村木さんだからこそ、本当に辛い思いをしている被災者の人たちに共感し、力を与えることができたのだろう。
私は今年12月に1年ぶりに被災地を訪れた。石巻市を一望できる日和山公園からは、まだあちこちに瓦礫が山積した光景が見渡せた。復興には本当に長い時間がかかるが、そこには確実に立ち上がろうとする被災地の人たちの姿があった。それを目の当たりにすると、被災地支援の気持ちを新たにすると同時に、被災地の人たちから勇気をもらっていることを実感する。寄付が与えるだけのものではないように、被災地でも「与えられる人」は「与える人」であり、「与える人」は「与えられる人」なのだと思う。被災地の仮設住宅にもクリスマスツリーが飾られていることだろう。クリスマスの日、プレゼントを「貰う喜び」と「贈る喜び」に、改めて感謝したいと思う。
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