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- 雇用関連統計12年9月~有効求人倍率が3年2ヵ月ぶりに低下
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■見出し
・失業率は前月から横ばいの4.2%
・有効求人倍率が3年2ヵ月ぶりに低下
■introduction
総務省が10月28日に公表した労働力調査によると、12年9月の完全失業率は前月から横ばいの4.2%となった(QUICK集計・事前予想:4.2%、当社予想も4.2%)。
労働力人口が前月から6万人増加する中、就業者数も6万人の増加となったため、失業者数は前月に比べ1万人の増加とほぼ変わらなかった。就業者数は増加したものの、労働需給をより敏感に反映する雇用者数は前月から16万人の減少となっており、内容はあまり良くない。
厚生労働省が10月30日に公表した一般職業紹介状況によると、12年9月の有効求人倍率は前月から0.02ポイント低下し0.81倍となった(QUICK集計・事前予想:0.83倍、当社予想は0.82倍)。有効求職者数が前月比1.1%と3ヵ月ぶりに増加する一方、有効求人数が前月比▲1.3%と3ヵ月連続で減少し、8月の同▲11.1%から減少幅が拡大した。有効求人倍率の低下は09年7月以来、3年2ヵ月ぶりとなる。
有効求人倍率の先行指標である新規求人倍率は前月から0.09ポイント低下し、1.24倍となった。新規求人数が前月比▲1.5%と4ヵ月連続で低下する一方、減少となったが、新規求職申込件数が同6.1%の高い伸びとなった。
新規求人数を産業別に見ると、建設業、卸売・小売業、情報通信業などは前年比で二桁の伸びを続けているが、製造業の減少幅が8月の前年比▲3.7%から同▲11.3%へと大きく拡大したため、全体の伸び率も8月の前年比10.5%から同5.3%へと大きく鈍化した。
雇用情勢は持ち直しの動きを続けてきたが、鉱工業生産の急速な悪化を反映し製造業の悪化が鮮明となり、全体としても弱含みとなっている。失業率はこれまで緩やかに低下してきたが、足もとの景気悪化を受けて今後上昇傾向となる可能性が高いだろう。
(2012年10月30日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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