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- アジア新興国・地域の経済見通し~底打ちを見込むも、外部環境のリスクは残る
2012年06月22日
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- 足もと、アジア新興国・地域の成長率は総じて減速しており、経済停滞が先進国から新興国まで波及してきた印象を与えている。金融市場に関しても、通貨や株価が下落する国・地域が目立っており、新興国・地域からの資金引き揚げの動きが懸念される。
- 先行きについて考えると、海外経済のうち債務問題を抱える欧州経済は停滞が続くと考えられるが、米国経済や中国経済は年後半には穏やかに改善していくことが見込まれる。こうした輸出環境の好転によってアジア新興国・地域の成長も回復していくと考えられる。ただし、その足取りはゆっくりとしたものになるだろう。また、金融市場からの資金引き揚げのリスクが依然として残ることにも注意が必要である。
- 経済政策に関しては、成長減速から利下げを実施している国・地域が少なくない。しかしながら、原油価格の高さに国内の物価上昇が追いついておらずインフレ圧力が残るなど、積極的な金融緩和に踏み切れない国・地域も多い。こうした状況は今後も続き、インフレと景気減速との兼ね合いを見ながら金融政策の舵取りをしていくと考えられる。
- 先行きのリスクとしては、海外経済の不調が長期化することが挙げられる。特にアジア新興国・地域は対中貿易シェアが大きいので、中国経済の低迷が続いた場合、成長回復のペースが鈍化する可能性も生じる。こうしたリスクは輸出依存度が高い韓国や台湾、タイ、マレーシアで大きいと言える。
(2012年06月22日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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