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- 金融市場の動き(6月号)~ 資源国通貨の行方
2012年06月01日
- (資源国通貨) 資源国通貨の下落が鮮明だ。資源国通貨は世界経済の成長に伴う高成長・高金利により世界のリスクマネーを集めることで、長期的な通貨上昇トレンドを形成してきただけに、ひとたび市場がリスク回避的になるとマネーの動きが逆回転を始める。実際市場がリスク回避に転じて以降の下落幅はユーロを上回る。また、新興国経済の減速などから豪州やブラジルでは輸出が前年割れとなっており、連続利下げが実施されていることもファンダメンタルズ面からの通貨下落の裏づけとなっている。欧州の債務問題はこれから正念場であるため、しばらくはリスク回避姿勢が強い状況が続くのはほぼ確定的。その点で資源国通貨も底値をうかがう展開が予想される。しかしその後は、リスク回避姿勢の緩和、新興国経済等の底入れが予想される。中長期的な視点でも、世界経済の成長とこれに伴う資源需要増加シナリオの蓋然性は高く、資源国通貨が再び上昇基調に転じる可能性は高い。
- (日米欧金融政策) 5月の金融政策は日米欧とも現状維持であった。日銀の今後の動きについては、7月展望リポート見直し時に基金増額による追加緩和に動くというのが基本線だが、FRBが大きく動いたり、市場が底割れる場合は前倒しで対応を行うだろう。
- (金融市場の動き) フランス、ギリシャの選挙結果を受け、5月の金融市場ではリスク回避姿勢が強まり、株価が下落、金利が低下、ユーロは急落した。少なくともギリシャの再選挙が終わり、方向性が見えてくるまではリスク回避姿勢の強い状況が続く。失望するような米経済指標が出ると、円とドルの均衡が崩れ、円高圧力が強まる。
(2012年06月01日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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