2012年05月11日

4月マネー統計~投資信託の落ち込み続く

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

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■見出し

・貸出動向:前年比プラスは7ヵ月連続
・主要銀行貸出動向アンケート調査:非製造業向けが増加
・マネタリーベース:2ヶ月連続の前年割れだが、過去2番目の高水準
・マネーストック:投資信託は2年2ヵ月ぶりの低水準に

■introduction

日銀が発表した4月の貸出・資金吸収動向等によると、銀行総貸出(平残)の前年比伸び率は0.4%と、引き続きプラスながら前月の同0.9%から縮小。伸び率の改善は14ヵ月ぶりに一旦途絶えた。
地銀が前年比2.1%増(前月も同じ)と引き続き堅調さを示したのに対し、都銀等が同▲1.3%減(前月は▲0.2%減)とマイナス幅を拡大した。

ただし、今回の伸び率低下については特殊要因の影響が大きかったためであり、実態としてのトレンドに変調があったわけではない。前年比での比較対象となる昨年4月は、震災後の電力向け緊急融資や企業の運転資金確保の動きから貸出が大きく増加しており、今回その反動が出たという側面が強い。
被災地での資金需要が月を追うごとに高まっていることに加え、今後とも電力会社向け融資増が見込まれるという要因もあり、貸出は今後ともプラス圏を維持する可能性が高い(図表1~5)。

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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴
  • ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
    ・ 2007年 日本経済研究センター派遣
    ・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
    ・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

    ・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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