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- アジア新興国・地域の経済見通し~外部環境は改善するも、成長率の2 極化は続く
2012年04月27日
- 2011年のアジア新興国・地域の経済は、先進国の成長鈍化を受け、予想以上に伸び悩んだ。一方、2011年年初の懸念であったインフレは、需要減速によって沈静化している。
- 先進国経済は改善に向かっているものの、アジア新興国・経済を牽引するほどの力強さは無い。そのため、2012年のアジア新興国・地域の経済は、内需が強いインドネシア・フィリピン・マレーシアでは高い成長を維持できるが、外需主導の韓国・台湾・タイでは成長率が伸び悩むという2極化が続くと考えられる。
- アジア新興国・地域ではインフレ圧力の低下に伴い、金融緩和の実施余地が生まれている。成長促進のため、すでに利下げなど金融緩和を実施している国・地域もある。財政政策については、大規模な財政出動を実施している国・地域はないが、総じて一段の景気悪化に対して刺激策を実行する余裕を持っていると言える。
- アジア新興国・地域が抱えるリスクとしては、2011年に見られたような、アジア新興国・地域からの資金引き揚げに伴う、金融市場の混乱が挙げられる。また、最近はイラン情勢の緊迫化などから生じている原油価格の上昇が新たなリスク要因となっている。原油価格の高騰は、燃料の多くを輸入に頼っている韓国・台湾・タイでとりわけ大きな影響を及ぼすと見られる。
- 外需主導の韓国・台湾・タイでは、先進経済の低迷が経済成長への大きな障害となっているが、高成長が期待できるインドネシア・フィリピン・マレーシアも、それぞれ課題を抱える。インドネシアでは原油価格の上昇を受け、燃料への補助金負担が増し、燃料価格の引き上げ圧力が高まっている。フィリピンでは輸出基幹産業である電子機器産業が低迷している。また、マレーシアでは民間投資の伸び悩みが課題となっている。
(2012年04月27日「基礎研マンスリー」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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